私的蕎麦の道

越前そば「ふる里」武生市

見当をつけ車を停めて地図を見ようとしたら交差点の向こうの高い所に「ふる里」のぼんぼりが見えた。カウンターにテーブルが三つ。せまい小上がりがある街中のふつうのたたずまいのお蕎麦屋さんである。椅子の座麺が紺絣もようになっている。 ここでもおろし…

越前そば「和た里」武生市

武生市郊外の住宅街、狭い道を入っていくと黄土色の壁玄関ののれんに薄紫地に白抜きで「和た里」とある。「そば」の幟が案内してくれた。誰も客は無いらしく玄関前に一台分しかない駐車スペースが空いている。 入ると座敷へ上がる形式、茶の間風の部屋にテー…

「山門前みやげ物屋」永平寺

金沢のホテルを6時前に出て「蕎麦紀行」最後の一日。武生の越前蕎麦を目指すが、早いので、永平寺の見学をすることにした。山門前の土産物屋の駐車場に車を入れた。おばさんが寄ってきて駐車券を渡された。「買い物すれば無料で良いから」と言われたがまず…

「しん馬」金沢市

地番と地図をたよりにここぞと思う辺りで「そば」の幟を見つけ、見つかったと思ったが無い。見つけたとき二度もその前を通り過ぎていた所にあった。ごく普通の住宅に「しん馬」と染め抜いた大きな布がかかっていた。切妻の壁に自然板に「しん馬」と書いた看…

「くら」金沢市

金沢市の繁華街橋場の交差点を何度も通過しながら入り口を捜し、無理やり入った小路に 「くら」の看板を見つけた。検討をつけて入れた駐車場はどうも違うようなので車を降りて看板の下の角を曲がったら店の入り口が有った。中に顔を入れ、駐車場を教えてもら…

「渓流荘」(2)五箇山

囲炉裏端もどこも雑然としていてなんとなく腰が落ち着かない。主人は表の水車の辺りでごそごそやっている。打つのは主人らしいが釜前は女の人である。濡れ濡れの水切りの悪い蕎麦が出てきた。挽きぐるみの田舎蕎麦である。香りはあるがつるつるのうどんのよ…

「渓流荘」(1)五箇山

白川郷の道の駅を早朝に出発した。城山天守閣(特に何も無い、茶店の庭)展望台から合掌造り集落を見た。朝の営みを始めた合掌造りの家々から煙が立ち上り、日本の原風景が見えた。しかし、動き出すのは車であり、私のような物見遊山の野次馬である。当たり…

「やまこし」白川郷

庄川沿いに156号線を走り、蕎麦荘「やまこし」の立て札を見て荘川を渡ると、木立の中に旅館と一緒に立っていた。合掌造りで建てられているが、建材は今のものと思われる。屋根も萱葺きではない。しかし、旅館と合わせて二棟となれば、相当建築費はかかっ…

「心打亭」飛騨荘川

国道158号線荘川沿いに車を走らせると、飛騨蕎麦街道の幟が蕎麦心を誘ってくる。 MAPまで作って売り込んでいるようだ。心打亭を探したが見つからずUターンした。大きな水車と温泉のある公園と思って通り過ぎた「荘川の里」というところに心打亭の幟が…

「恵比寿西店」高山市

高山市に老舗の「恵比寿」という蕎麦屋さんがあり、その分店がこの近くにある。開店は11時。ひだっ子にがっかりしたのでおいしい蕎麦なら良いなぁと思いながら、見つけた。店頭で白い調理服姿の若者が蕎麦を打っている。本店で打った蕎麦を持ってくるので…

「ひだっ子」高山市

車で登ることができず、シャトルバスでは遅くなってしまうので乗鞍はあきらめ、前夜疲れてたどり着いた飛騨古川の道の駅を早朝出発した。高山市内に駐車場は無く、駅に見当を付けたら案の定市営の駐車場があった。そこに車を入れ、身軽になって市内散策を楽…

「安曇野・翁」(3)池田町

レジでお金を払おうとして気がついた。さっきと違うもう少し年かさの男の人がこれも調理服を着て応対してくれた。注文を聞く若者は立っていた。きっと役割分担が決まっているのだろう。釜前にも違う男の人がいる。きっと修行している人たちなのだろう。修行…

「安曇野・翁」(2)池田町

ざる蕎麦800円を頼む。白い調理服姿の若者が応対してくれる。今までの店はほとんどが女の人が多かったので新鮮に感じる。薬味皿にはわさび、大根おろし、さらし葱がのっている。たれは中ぶりのとっくりに半分ほど。蕎麦猪口には入っていない。山に見とれてい…

「安曇野・翁」(1)池田町

県道51号線から町立美術館を目指し、初めて翁へ案内する立て札を見つけた。開店時刻である。裏手の砂利地の駐車場に車を停め表に回る。安曇野の盆地をはさんで北アルプスと対峙する斜面に「翁」はあり、その入り口に立つ。県道からけっこう登って来ている…

「美麻」美郷町

小遠見岳の頂上で逢った夫婦に聞いたら「やましなが有名だけれど美郷の方がおいしいね」と言うことで「美郷」を目指した。山の中に入り、再びもとの国道に戻るように走っていたら、谷の出口に「山品」の看板があった。凝った大きな店でそそられるが、美郷を…

「そば神」白馬村

山道楽を名乗る以上、信州白馬に来て山に登らなければ名が廃る。11時からの小遠見岳登山だったがゴンドラが行けば一人でも載せてくれたのでロス無く登れ、そば神の営業時間内に間に合わせることができた。 登山帰りの汗もそのままに国道沿いの店に入った。2…

「旅の駅・鬼無里」鬼無里町

旅の駅「鬼無里」 久しぶりのホテルでの一泊で爽快。今日は、白馬へ向かう。鬼無里の「とうじ蕎麦」を試したいが、朝が早い。半ば諦めながら、ひと休みのつもりで停めた旅の駅にそばの幟があり、9時開店とある。15分程辺りを散歩して時間に合わせて入店。…

「たかさわ」信濃町

一茶の故郷信濃柏原を過ぎて長野県と新潟県の県境に「たかさわ」はあった。地方道から県道109号線に乗りその道路際にあったのでなんなく見つけることができた。県境すなわち山の中である。私のスキーの揺かご妙高赤蔵倉高原は峠を越えた斜面にある。松坂…

「そばの実」戸隠村

戸隠神社中社を出て宝光社を過ぎ、新緑に少し早い山肌を登って行くと開けた平地にそばの実はあった。 少し離れた林間から吟行の一団のような人たちが出て来た。標柱があり、自然林の公園があるらしい。そばの実の駐車場の車はその人たちのものだろう。店の女…

「よつかど」戸隠村

小布施のPAは上信越高速道路のためのPAで私のような一般道を徘徊しているようなドライバーにはトイレや水道施設しか利用価値が無い。一般道から入れる駐車場はそう言う施設もなんとなく遠慮がちになってしまう。朝明るくなるのを待って起き出す。昨夜来の雨…

「富蔵食堂」(2)飯山市

やっとこさという感じで立ち上がると障子を開けて隣の台所へ行った。そこには農家の台所とは思えないステンレスの調理台が見えた。やはり、生活の場そのままでは客商売は難しいのだろう。私のそば食いに囲炉裏、かまど、藁葺き屋根などというの田舎趣味、ノ…

「富蔵食堂」(1)(飯山市)

いよいよ新潟県から長野県へ入る。県境の峠近くにある「信越栄」という道の駅から富蔵食堂へ電話をする。山の中へ入るし、行くまでの時間、もしかしたら探す時間もかかるかもしれないので、辿り着いたのにやっていなかったでは悲しい。 「あんまり遅くまでや…

「小嶋屋」十日町

4月ネパールランタン谷のロッジで十日町市の大渓さんに教えてもらった川西町の小嶋屋が見つけられず結局十日町市内の小嶋屋本店に入店した。 わたや(小千谷市)の蕎麦は緑色をしていたが、小嶋屋のはふつうの蕎麦より少し色が濃い感じのそばだった。角形の…

「わたや平沢店」小千谷

西会津の道の駅を早朝出発してから地図を頼りの近道は何度か迷いながらの小千谷市着となった。福島県からのかすめるような新潟だが通った所は中越地震の中心部。山古志村への入り口もあったが、冷やかしにしかならないので通過した。通行止めの道路、崩れた…

「蕎邑」山都

山都町は蕎麦で町起こしをしている町で、以前明と来た時にはもう少し奥まった国道沿いの大きなお屋敷風の農家で蕎麦会席を食べた。水蕎麦から始まってのコース料理はその前の米沢で蕎麦と肉を食べた後だったので腹が苦しかった思い出の方が強い。 今回は、こ…

「蕎酔庵」米沢市

米沢市内にくらべ田園地帯は道幅もあり走りやすい。田園地帯と言うより新興住宅地とでも言えるような田圃の中に、新しい住宅が目立つ地域である。「なでら」が田圃の雰囲気を残す農家をコンセプトにしているのにくらべ、「蕎酔庵」は、ちょっと見には新築の…

「なでら」米沢

以前米沢に来た時に入った店を再訪したかったが、米沢市の中心部はイベントが開かれているらしく車が入られない。一回は、上杉鷹山公園前の駐車場に入れて歩こうとしたが、遠いし時間がかかりそうなのであきらめた。米沢市でチェックしたのは3軒。そのうち…

「梅蕎麦」山形

以前明と山形市に来た時は萬盛庵という老舗に入った。そこも美味しかったので裏を返したかったが、まずは調べてきた梅蕎麦を目指す。国道から駅へ向かう幅の広い道路の中程、工業高校の近くにあった。老舗の蕎麦屋らしく、間口が小さい。店先の駐車スペース…

「羽前屋」山形

うまい。久しぶりに強い蕎麦の香りと味がする蕎麦に出会った。もり蕎麦600円。江戸ふうの上品な感じよりも、田舎蕎麦の方に近い気もするが、もそもそした感じはしない。蕎麦の本場山形で老舗をほこっている所以であろう。厚めに打った蕎麦を細く切ってで…

「伊藤屋」天童

天童市からはなれていない道の駅に泊まることにした。公園があり、大きな24時間営業のスーパーがあって、天童温泉の旅館街に隣接している。いつもの殺風景な夕食を止めて、食べる所を探した。でもいつの間にか蕎麦屋を探している。結局、駅近くの《伊藤屋…