2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

白鳥

湖明けや白鳥の澪南北に 未曉

雛祭

雛飾る 車座にして雛の声聞こえけり 未曉

かんじき

好天七飯台場山 かんじきや吾にけものの血の少し 未曉

南瓜ご飯(3)

歌志内でもう一つの記憶がある。 ある夜のことだ。雑貨屋をやっているおじさんの店のガラス戸をたたく音がする。ガラス戸がガシャガシャ音を立てる。「店閉めたのにねー」と呟きながら出て行った叔母さんの声が急に大きくなった。声の意味を聞き分けた家中の…

南瓜ご飯(2)

私の記憶は、函館(私は小樽だと思っていたが、文献を調べると樺太からの引き揚げ船はほとんどが函館入港で小樽入港は無かった)に上陸し、歌志内への汽車に乗るため線路の上を歩いていて転び、ガラスの破片で親指の付け根の所から噴き出した血の色から始ま…

南瓜ご飯(1)

この世に生を受けて記憶にある最初の食べ物は南瓜ご飯である。どう食べたか、どんな味だったかは記憶にない。湯気の中、黄色く賽の目に刻まれた南瓜が散りばめられた真っ白いご飯が目裏に今も残っている。わたしの「食欲は目から」はこのときすでに始まって…

雪を見る鳥見る吾を誰か見る 未曉

雛祭り

日浴みして雛ゆるりと控へをり 未曉

雪割

三歳の記憶繋がる雪を割る 未曉

如月

衣更着や身丈に添はぬ頑さ 未曉

丹頂の恋細き首撃ち交わし 未曉

春塵

馬糞風てふ春塵の道在りし 未曉

春待つ

恵山遠望 春遠し道幾曲がり岬幾重 未曉

春塵

残されて春塵の道なさけなし 未曉

冬の月

ソチ五輪冬満月の地球かな 未曉

丹頂や交えし声の息白し 未曉

流氷

流氷や樺太遠し父母さらに 未曉

図書館に吾が咳穿つ静寂かな 未曉

水温む

二粒の薬死ぬまで水温む 未曉

春塵

忘れ物に戻りし道や春埃 未曉

水温む

兄の歳数えて供花の水温む 未曉

冬野

堅雪野夢はかなふといふけれど 未曉

三寒四温

けい子さん退会 三寒や投句に添ひし退会届け 未曉

立春

瓢箪句会後「源七」で マスターに篠笛の余技春や立つ 未曉 篠笛のさくら変奏春に入る 未曉

寒明

黒海の風混じりたる寒の明 未曉 寒明て疾き一年の流れ初む 未曉

私的雪掻き考(2)

私の家は道路から南側へ下がった傾斜地に建っている。道路の高さに土を盛って建てたので庭の南端は高さ3Mくらいの擁壁に支えられている。その擁壁の下は荒れ地で当然地主さんはいるのだろうが長年放置状態になっている。掻いた雪の排雪は擁壁の上からその…

私的雪掻き考(1)

どこでもどなたでもそうだろうが雪掻きが始まると雪掻き独特の向こう三軒両隣との距離感が気になりだす。 私の家が接する道路はコの字型で市道に繋がる。この道路は公道ではないので市の除雪車はよほどのことがない限り入らない。私道あつかいの住民の共用道…

着膨れ

浜で死ぬと言ふ船大工着膨れて 未曉