2009-01-01から1年間の記事一覧

私の一年は妻の実家船大工)の作業場で終わる。今年も昨年、一昨年と同じように大きな鍋に強烈なガスコンロで年越し蕎麦を茹でている。 蕎麦湯気に眼鏡曇るや去年今年 未曉 いわゆる行く年来る年をテレビで観て新年を迎える。全国各地の除夜の鐘に手を合わせ…

暮れの30日混んでいると思ったがアップル温泉は空いていた。露天風呂はおじいちゃんと孫しか居なかった。水気たっぷりの雪が降っているせいもある。おじいちゃんは頭にタオルを載せてとっぷり湯に浸かっている。孫は軒下に残っていた雪を手に余るくらいに…

正月らしい雰囲気を出すために毎年舞玉を飾る。、近頃は舞玉だけ売ってくれるので水木は山から取ってきて自分で飾り付ける。今年は娘二人が早めに来ていたのでやってもらった。その姿を見ているとつい娘等が幼かったころを思い出してしまう。その思いがなか…

年越しの「鯨汁」のための買い出しに中島廉売へ行った。今、この廉売が他と比べて安いとか新鮮だとかは私にはわからないが、この市場の雰囲気はふだん買っているスーパーには無いし、鯨汁はこの雰囲気を通過してこそあの味になりそうな気がする。そういえば…

娘を空港へ迎えに行った。様々な対面、出迎えがある。 黙礼に故郷がある到着口 未曉 捨て雪に北を語らせ迎へけり 未曉

年末、無沙汰を詫びがてらご挨拶に伺う方がいる。O元校長さん夫妻である。私が尊敬する校長さんであり仲人でもある。O校長さんは一昨年亡くなったが、酒好きなO校長の仏前に酒を持っていく。今年も…と訪問の都合を伺う電話をしたら、奥さんの弟さんが出て…

今日は床屋へ行き、帰りに蕎麦を食べながら年越し蕎麦の予約をし、電気店で買い物をしてきた。やはり天気が良いと出歩くのが億劫でなくなる。その分金も使うが…。 上空は晴れているが、海峡の向こうは黒に近い雲が下北の陸地を隠すようにたれ込めている。 冬…

今年の山歩き納めで庄司山に登った。スノーシューを履いて臑までのラッセルで桔梗尾根を辿れば庄司山南面の登山道に合流する。登山道と言っても少しへこんだトレースがあるだけである。へとへとになて登った。特に頂上直下の急斜面はスノーシューが登りづら…

冴え冴えと三日月が中空にある。星も寒さの中から析出するように少しずつ現れてくる。ネパール、タンボチェの夜空を思い出す。 瞭瞭と神話を結び冬星座 未曉 結び合う直線までも冬星座 未曉

今日は冬至。南瓜を食べることにした。昨日義母がゆで小豆の缶詰を買ったのでつられて買ったが、お汁粉は余すような気がしていわゆる田舎煮にすることにした。醤油が過ぎたかしょっぱくなったが南瓜のほくほく感が美味い。味見が三切れも食べてしまった。 間…

今朝も雪。捨てられた雪が我が家の土盛りを支えている3M余りの擁壁に迫っている。寒いので雪が軽い。すべての物の上にまあるくやさしく積もる。この雪は小鳥にとっては大敵だ。この頃餌を置いていない餌台に、せっぱ詰まったのか雀が一羽飛び込んで来た。…

今朝も雪かきから始まる。日曜日なので少しゆっくり始める。 雪雲を地に移したり今朝の雪 未曉 新道の高架を除雪車が走り、雪を高架下に撒き落としながら走り去る。許しを得たようにあちこちの家崎で雪掻きが始まる。 除雪車の戦端開く雪煙 未曉

細い、明日には消えそうな月があった。 寒月や拠り所なき道走る 未曉 季題「鷲」 また一羽螺旋をなぞる鷲の空 未曉

兼題「熊」 天辺に残るぶどうや熊の夢 未曉 爪痕の樹にも熊にも深々と 未曉

いつも山歩きをしている仲間Ya、Ku、Kub、での納会を七飯の居酒屋でやった。函館近郊が歩きのフィールドなのでこの会は函館のネオン街ではやらない。七飯の方が集まりやすいと言うこともあり横津や七飯岳の裾の一部で飲むのがふさわしい。仕事の関係…

思った以上に雪が積もっていた。昨日玄関前だけ試運転でやった除雪作業は膝の回復に影響していないようだ。これならいいかもしれない。まだ暗かったがいつも通りの手順で始めてみた。少し違和感が残っているけれど痛みはない。滑らないように気を付けながら…

予報通り雪。膝は良くなりそうな気配なので雪掻きを我慢する。重そうな雪だ。その掻かれていない雪に深い轍を残して妻が出勤していく。 雪を踏み雪緞帳に出勤す 未曉 昼かと見まごう雪明かりの夜となる。雪明かりだけの時には物に影が無い。 物の影天に放ち…

右膝が痛み出した。転ぶとか捻挫とか外的な原因は全くない。パソコンの前で年賀状作りに勤しんでいたので膝に負担をかけた覚えはない。へんだなへんだなと思っている内に曲げて痛みが走り、歩いて足が重、痛い。覚えとっしては、先週水曜日、木曜日の運転中…

12月も中旬というのに雪がない。いっそう荒涼感が募る。 冬ざれの垣根を越へて窓辺まで 未曉 一日中出かけないでしまうこともあるので、買い物に行くことにしている。 店に並んでいるものや他の人の様子を見ていると師走感が強まってきている。しかし、毎…

鷲観察の帰途野田追川の河口に鷺を見つけ、急遽鷺観察会になった。小さな河口だが他の水鳥や狐も居いて、すぐ傍の国道とは違う賑やかさがある。河口の向こうは鈍色の噴火湾。雄鉾岳の辺りに沈む太陽の夕照も河口の小波で止まって海には届かない。我々に驚い…

遊楽部川が大きく蛇行するところで車窓から鷲の姿を見つけた。車を停めて近づくと足元の急斜面の木立から沢山の鷲が一斉に飛びたち川を越えて対岸の斜面の木立に入ってしまった。だれか撮れただろうか。遠くになって終ったがよく見ると、裸木の林の中に動か…

遊楽部川流域に鷲観察をしてきた。朝は冬晴と言う言葉がぴったりの寒さだったが、歩き出すころは陽差しが暖かく感じられた。 鷲は空を大きく高く使って飛ぶのがいい。大蛇行する川が創った大きな空を大きな円を描いて飛ぶ。 大鷲の空創りけり大蛇行 未曉 冬…

季語閑語

おもしろ半分にいわゆる濁り酒を買ったが私の口には重い感じがして少し持て余している。 雪降る降る瓶逆しまに濁り酒 未曉 椴法華で帆立貝をもらってきた。家に帰って流しに置いたら、全部の貝が一様に薄く口を開けていた。 帆立貝ここはどこかと薄目開け 未…

そろそろ年賀状の準備をしなければならない。郵便局の年賀葉書の売り方を思うとお年玉付きの葉書は止めたくなるが、今年は買ってしまったことだし来年考えることにした。年始代わりの句を作らねばならない。この頃、季題の方が先にあってそれに逢わせる句作…

今シーズン発の積雪の朝になった。北国の人間にはこれが初雪だろう。以前ほど張り切る気持ちにはなれないが雪掻きを始めた。いざ始めると、つい昨日もやっていたような気になる。待っていれば遠いが、いやなことはすぐ来る。と言うことは雪掻きがいやなこと…

兼題「女正月」 女正月死語にフランス10日間 未曉 女正月子は子ども部屋子正月 未曉

函館山を歩いてきた。裏山道にさしかかると曇っていた空から細かな雨のような雪が降ってきた。雪に思わせるのは山道脇の枯れ草にたてる乾いた音のせいである。見下ろす函館の街は雪雲の下に鮮やかさを失って沈んでいる。外海の水が白く波立ち大森浜を削って…

兼題「女正月」 来月新年句会のもう一つの兼題が「女正月」である。歳時記の例句に「芝居見に妻を出しやる女正月」というのがある。これは男尊女卑等という言葉を出すまでもなく今の時代に通用しない季語に思える。対して元旦から松の内を「男正月」というそ…

今日の句会で1月新年句会の券代が出された。その一つが「楪」である。古い葉が落ちる前に新しい葉が出てくることから父子相伝絶えなしを意味し、正月に飾られるようになったそうである。 冬にはその緑が美しい 楪の菅に乏しき緑かな 未曉 楪のいかに止めん…