「よつかど」戸隠村

takasare2005-11-22

 小布施のPAは上信越高速道路のためのPAで私のような一般道を徘徊しているようなドライバーにはトイレや水道施設しか利用価値が無い。一般道から入れる駐車場はそう言う施設もなんとなく遠慮がちになってしまう。朝明るくなるのを待って起き出す。昨夜来の雨は上がっている。寒い。店も無いし、お湯を湧かしタラスパを食べて体が少し暖まった。すぐ出発。長野市の北をかすめる間隔で戸隠へ向かう。いよいよ昔から名高い蕎麦所信州の中の戸隠蕎麦を「たかされ」できるぞ。
 長野から戸隠への道は古くからの道らしく、細く曲がりくねっている。しかし、長野市へ向かう対向車線の車は多いが戸隠へ向かう車線は車が少ない。スピードさえ出さなければ快適なドライブである。高度を挙げて行く。戸隠へは8時半頃着いてしまった。上社まで下見した後、駐車場が無いので戸隠蕎麦博物館「とんくるりん」の駐車場に入れ、開館まで付近を歩いた。朝霧の中に戸隠山に連なる山々が荒荒しい山容を見せている。まさしく信州の山麓風景である。昨日の富蔵集落もそうだが、やはり豊かさは感じられない風景である。他所からきてのどかさを感じるのは他所者の感傷だろう。9時になり入館した蕎麦博物館の資料にもそんな地元先人の苦労が書かれていた。蕎麦博物館は充実していた。女の人が蕎麦を打っていた。
 10時になったので中社の参道に入ると、「よつかど」という店に暖簾が下がっている。情報誌にそんな名前があったなと思い、入ってみることにした。中では4人の女性が開店と平行して準備中の仕事で忙しそうにしている。「もり蕎麦しかできない」というし、早朝だからそんなもんだろうと思いながらもり蕎麦を待った。出された蕎麦は、手振りもりというか、新潟ヘぎ蕎麦のボッチもりになっていた。(写真)水切りがわるいなーと思いながら、口に入れても響いてくるものが無い。こんな朝早く食べようとするのが悪いのかと思ってしまう。最後は蕎麦の味や香りも簀の子の上の水の中でぐちゃぐちゃになってしまっていた。中濃の蕎麦湯が口直しになった。演歌が流れ演歌の好きそうなおばさん達が働いていた。
 駐車場から出る時に気付いた。中社に向かう参道に直角に車一台通れる道がある。確かに「よつかど」にその店はあった。