2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ときしらず

私が最初に覚えた花の名が「ときしらず」だったかもしれない。チューリップはそれよりはやいかもしれないが、チューリップは実物よりも描く花として、花の代名詞的に覚えていたので、地に咲くとか育つとか枯れる「花」という意味では「ときしらず」がそうだ…

黄水仙

人と人の間蝕まる春の塵 未曉

初桜

ぎこちなく白さばかりや初桜 未曉

五稜郭公園の桜ももうそろそろだろうけれど恒例の一人花見はあきらめよう。 疫の世や人隔てれば花はなほ 未曉

辛夷の花

休校で家に居る子どもたちを慮って「何もすることが無くイライラして言動が乱暴になっている」と話す親がいた。 花辛夷一人遊びという宇宙 未曉 イライラしたらイライラさせておけば良い。それで駄目なことをしたら叱れば良い。誰か何かを呈示しなければする…

人遠し花なほ遠し車窓から 未曉

初蝶

初蝶や庭にもてなす何があり 未曉

初花

初花や人には罰のごと自粛 未曉

犬ふぐり

万歩計十歩のほどを犬ふぐり 未曉

春の夜

春の夜に妖し点滅止まぬ星 未曉

春満月

山低し春満月の放たれて 未曉 先日、「今日はスーパームーンだったんだね」と娘に言われてあわててウッドデッキから東の空を見た。既に満月が山の端を離れていた。山の端と言っても東側にある家と家の隙間から切れ切れに見えるだけだが…。悔し紛れに引っ越し…

花辛夷

異土に臥す主人をよそに花辛夷 未曉

山笑ふ

熊もまた山菜の季山笑ふ 未曉

温し

エヴェレスト街道 マニ車だけくるくると老い温し 未曉 帰りは往路を一泊少ない日程でルクラという飛行場のある所まで降りた。集落の中を通る。老人が着ぶくれて一人、陽を浴びて入り口に凭れている。動かない。手も動いていないようなのに小さなマニ車だけが…

春昼

タンボチェからパンボチェを日帰りする。パンボチェでシェルパが用意してくれた昼食を食べた。敷物の上に並べられたごちそうは何を食べたか覚えていない。それほど周りの山々に見とれていた。美しいとか迫力があるとかではなく、別世界でありながらどこかな…

明日は日帰りで今回のトレッキングの最終目的地3900Mのパンボチェである。今晩と明晩はトレッキングの最終宿泊地タンボチェに二泊する。 夜中身まかなってロッジから外へ出たらエヴェレストを含め、四方を取り囲む神々の嶺が真っ黒な額縁を作りその中は…

雪しろ

その時のトレッキングはエヴェレストを肉眼で見ると言うのが目的だったから、いわゆるエヴェレスト街道と言われるエヴェレスト登山のメーンストリートを飛行場のあるルクラからタンボチェ(3800M)まで往復6日間歩いた。登山道ではない。そこに住む人た…

春暁

三回ほどネパールをトレッキングで訪れている。エヴェレスト街道のトレッキングのときトレッキング前にガイドの提案でカトマンズ近郊の古都バクタプルを観光した。暗い内にホテルを出発し、バクタプルに着いた時はようやく空が白み始めた頃だった。寺院は壁…

春時雨

春時雨過ぎてすぐまた岐れ道 未曉

春時雨

雪少し白き小花へ春時雨 未曉

夕長し

自選して細る句集や夕長し 未曉 先日全然見知らぬ人から個人句集が送られてきた。どうやら私が投句している俳誌の同人らしく、その伝で送られてきたらしい。定価がついている立派な装丁の個人句集である。代金、謝礼、礼状など一切不要と添え書きされていた…

剪定

剪定や恥ずかしきこと多ければ 未曉

蕗の薹

出不精と言うな自粛ぞ蕗の薹 未曉 自粛などを強いられているとことさら福寿草やイチゲソウなど今時の小花たちが愛おしくなる。臆せず自粛の地表に顔を出す蕗の薹などなんだか新コロナウィルスの妙薬に思えたりする。ということで、我が家で育てたギョウジャ…

四月

ウィルスの影に洩れいて四月来る 未曉

エイプリルフール

万愚節嘘許されぬ星であり 未曉