2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧
花色の褪せてリラ冷え緩びけり 未曉
山芍薬木漏れ日さえも避けともり 未曉
溺れゆくごと下りゆく若葉谷 未曉
校庭に走路の痕や五月晴 未曉
サツキ咲く虚実の欠片色一つ 未曉
半日開催増える運動会 絶滅へ運動会といふ文化 未曉
名の米の田の真ん中を夏の川 未曉
田一枚田植機一機ひと一人 未曉
殿様街道 葉脈を空に透き来る若葉光 未曉
為兼題「ビール」 ビール呷るジョッキの底に撓む夕 未曉
夏の川まだ嶺雪の香を流し 未曉
兼題「ビール」 缶ビール末は大河となる水に 未曉
採血針白き腕刺し夏に入る 未曉
夕鐘に人皆信徒めく薄暑 未曉
長挨拶ビールグラスが結露して 未曉
毛虫ならばこの千毛で今を生き 未曉
春惜しむ杖突く人の歩に合はせ 未曉
採血に出す白き腕夏来る 未曉
桜蕊瀕死の春を震えをり 未曉
先生にあげる一つもあるイチゴ 未曉
花や散る石垣ゆるむ時あそぶ 未曉
手当てれば花終へし木のすがすがし 未曉
犬ふぐり一年生も慣れたころ 未曉
仏前に母の世に無き大苺 未曉
葉桜や菓子舗の甘き窓明り 未曉
花の海観覧車にて浮き沈み 未曉
春惜しむ者に愚かや万歩計 未曉
花の雨傘連れ帰る三片かな 未曉
碧血碑ふもとの人の黄水仙 未曉
それぞれに菫名を持ち七曲がり 未曉