2015-01-01から1年間の記事一覧

年の暮れ

褒められず叱られもせず年暮るる 未曉

新日記

三月に慶事を書きて新日記 未曉

年用意

松一枝仏花の背に年用意 未曉

掃くほどの雪そのままが好(よ)き朝 未曉

冬休み

兄の背に雪当ててより冬休み 未曉

箒目の波に遊びし今朝の雪 未曉

袖無し

袖無しの背におかれし白衣の手 未曉

四温

稜北病院 問診を抱かるるごとく四温かな 未曉

数え日

数え日の中に子どもの到着日 未曉

冬至

遠からじ冬至南瓜の黄色より 未曉

虎落笛

向さん通夜 虎落笛届かぬ彼岸師弟句座 未曉

賀状書く

賀状書くせめて宛名は肉筆で 未曉

水鳥

水鳥や湖眠らんと急げども 未曉

冬の雨

闇溶ける音して軒の冬の雨 未曉

冬の雨

これはこれで起き難き朝冬の雨 未曉

冬夕焼

冬夕焼病気自慢の露天風呂 未曉

寒禽

虫潜み寒禽声の露わなり 未曉

氷柱

大氷柱右天に月の重さかな 未曉

雪催い

雪催い家並み山並み低くして 未曉

冬の霧

冬霧や行方の橋のおぼつかな 未曉

鷲飛び去るカメラは銃にあらざれば 未曉

消し壺

図書館や蔦屋に試験勉強の高校生が目立つ。私の時代は家の他に勉強する場所はなかった し、それも泥縄式一夜漬けが常だった。寒くなった今時は暖房が茶の間の薪ストーブが一つ しか無かったから勉強は茶の間ですることになる。始めからもうあきらめの心境に…

鱈鍋の鱈にやさしく酒熱く 未曉

冬温し

甘える子甘えさす母冬温し 未曉

冬萌

冬萌のうかつさ愛し軍手指 未曉

山眠る

累々と山に寝息の起伏かな 未曉

冬帽子

出て戻りまた出る父の冬帽子 未曉 冬帽子思い出したる斜具合い 未曉

十二月

ドラミングまたドラミング十二月 未曉

涸川

涸沢に糞新しき獣道 未曉

冬枯れ

銃を持つ少年映る霰降る 未曉 中東枯る少年笑みて銃を抱く 未曉