2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

裸木

我が小自治会の空に葉をそよがせていた三本の樹木が自ら葉を落としたと思ったら枝を剪られ、幹を伐られた。実を戴いたり、木陰に憩わせてもらった時もあるのにである。 裸木に鋸ふる人の露はなり 未曉

大根

我家の庭に妻が育てた二うね十本ばかりの大根ができた。収穫は半月ほど前だったが、活けておいたものを掘り出して食べた。おでん、漬物になるようだ。私はおろしにして焼き油揚げ添えて晩酌の肴にした。収穫の時を思い出して… 抜き引きて妻見よかしの大根かな…

水涸る

11月末日で横津岳に登る車道ゲートが麓の方も閉じられる。上のゲートまで車で登れるうちにということで横津山頂から大沼が見える電波塔の所までと第一湿原までを歩いた。 誰もいない山だった。我々の他は前日歩いた人の足跡だけである。アスファルトの車道…

冬の雨

家を建てた頃ちょうど父が家を手放すことになり、主だった庭木を新築の我家の庭に移植した。その時は造園屋さんに頼んだが、その後は伸び放題と素人剪定の繰り返しで無残な姿になっていた。その中で一本ナナカマドが大きくなりすぎ手に負えなくなった。なに…

時雨

夏頃から「芭蕉全発句」という本を読んでいる。文庫本で750頁という量もあるが、難しくてはかどらない。どういうふうに難しいかというとすぐ眠ってしまうくらい難しい。 19歳の時の句からようやく貞享三年、43歳まで読みすすんだ。句で言えば「古池や…

冬木立

葉を落とした冬木は寒々としてその木立を吹き抜けてくる風はことさら冷やされているような気がする。その風を強弱で感じるより痛さで感じる季節になってきた。 青空の青き痛みを冬木立 未曉

枯蔓

北斗市当別のトラピスト修道院の裏山、丸山の麓にルルドがある。崖に凹みを穿ち、どこかに水栓が隠れているような水場を設けた人工的なルルドである。詳しくルルドの謂れを知るわけではないが、奇跡が起こるような有難味を感じたことはなかった。しかし、先…

時雨

兼題「時雨」で考えあぐねいつの間にか昔を彷徨っていた。すると父が女物の傘で帰ってきたことを思い出した。時雨の時期だったかどうかは定かでないが、貴重な思い出しを大事に…。 ご帰館の父に女将の時雨傘 未曉

山眠る

車の音が聞こえるような山道で熊の糞を踏む。熊も冬眠が近い。 熊だけではない。寒さが厳しくなり食べるものがなくなり山に生きとし生きるもの、空腹が一層募る。活動しないことで耐えるもの。忍び足で獲物に近づくもの、天敵に潜むもの。みな音をたてない。…

山毛欅は大きく育つが故に地形、方角によってその樹型は大きく違う。厳しい環境で長い年月を耐えて育った山毛欅の大木を山中に発見すると、素直に育った山毛欅も立派だが異様に曲がった幹や枝、瘤や洞に美しさを感じる。樹に育つ意志を見つけるからだろうと…

冬木立

峠下台場山の裾林道を北から歩き出し西の分岐から尾根を頂上へ辿った。林道の下も上も落ち葉を尽くした木々が斜面に寒々しい。モノトーンの山である。 冬木立吹き来るものの身に痛し 未曉

一茶忌

歳時記には「一茶忌=十一月十九日。小林一茶。継母との折り合いが悪く、俳諧の道を志し14歳で江戸に出る。俳諧師として一家を立てることかなわず、故郷柏原へ帰り52歳で結婚するが後妻子を火災で失うなど不遇のうちに65歳で没す」とある。 やれ打つな…

冬の空

高倉健さん亡くなる 男といふ荷を背に逝くや冬の空 未曉

一茶忌

一茶はきっと自分いや人間の弱さを知っていたからこそ弱いものへの眼差しを句にできたのだと思う。 一茶忌や人も服着た裸虫 未曉

北海道は立春が過ぎても春ではなく、立夏が過ぎても夏にはならない。反対に立冬の前に落ち葉や初雪が街に降る。そして遅い春まで冬が居座る。指を折って数えてしまう。六ヶ月。半年が冬ということになる。いまさらの感慨でもないが、毎年ため息をともなって…

十一月

「十一月も半ばになってしまった。」無職の身、具体的な何かに急かされているわけではないがそんな気にさせられてしまうのが十一月なのかもしれない。そういえば、年賀状づくりがあった。今年限りで止めようと思ったが、年の瀬にひとつくらいやらなければな…

南瓜

無言居士冬至南瓜となる日まで 未曉

雪起し

眞紀子さんのお通夜に向かう椴法華への道は横殴りの雪になった。昨夜の雷は雪を起こした。 冬の雷続詠 夜の底の道銀色に冬の雷 未曉 老いの手か冬雷か酒揺れて 未曉 雪起し草草の根に地の虫に 未曉

熱燗

冬帝の前触れだろうか。稲光、雷鳴が激しい。パソコンの電源を落とし早々と晩酌にした。 常識的には西から東へ通り過ぎてくれるものだが、今日ばかりは我が頭上に居座っているような 気がする。込み入った天気図をテレビ画面で見ていたら、ぷつんと電源を抜…

木の葉

木の葉は「このは」と読んで冬の季語になる。歳時記には枝から離れた、あるいは離れようとしている木の葉を詠 むときに言うとある。「きのは」と読めば枝に梢に生き生きしている春から秋の木の葉になる。 傍題には「木の葉降る」とか「木の葉舞ふ」とか「木…

林檎

隣町七飯町は林檎の街である。毎朝その林檎を食べる。新鮮でおいしくそのうえいろいろな品種のりんごが食べられて嬉しい。 むかし、幼いころの我が家で食べていた「雪ノ下」という硬い小さな林檎を思い出す。甘みも少なかったと思う。きっと安い林檎だったの…

一茶忌

次月句会の兼題。歳時記には陰暦11月19日とある。 長野柏原に再現された一茶の「これがまぁ終の棲家」を見たことがある。 故郷での一茶の境遇を書かれたもので読み、あの家を思い出すと冬ざれの 風景が似合ってしまう。 だからあの温かみのある句が生ま…

落葉

葉が落ちて、山を歩いていても夏秋に比べ空が大きい。落葉は冬の季語だが、北海道の木々は立冬を前にあらかた葉を落としてしまう。木は葉を落として寒さから身を守り、虫は落ちた葉を着てじっと春を待つ。 ひたすらに待つ者たちへ落葉かな 未曉

立冬

義母が入院している。娘である妻が昼を一緒にするべくそこへ行く。 立冬や味噌汁熱く母見舞う 未曉

時雨

北海道に時雨の時機は短い。「秋の天気は変わりやすい」とか「朝てっかりと女の…男の…」などと言ってる内に雪になってしまう。 北海道は立冬前に冬になるからそう思えば片時雨、小夜時雨なども体感、実感できたりする。 時雨るるや我も軒下の生乾き 未曉 若…

桜紅葉

五稜郭公園の桜の紅葉が見事。晩秋にも華やぎあり 満開を褒めたき桜紅葉かな 未曉 宴無き桜紅葉の万朶かな 未曉

黄落

黄落やジャングルジムの忍者達 未曉

冬支度

薄き日に余力些か冬支度 未曉

大根

味噌汁に大根の葉の緑かな 未曉

秋惜む

秋惜む言の葉多し意さらに 未曉