2016-11-01から1ヶ月間の記事一覧

しまき

島牧・冬(一) 弁慶巌村南北に雪しまく 未曉

北風

大陸に立ちし北風吾に止む 未曉

雪の香のして座りけり膝送り 未曉

海三年鮭チャンチャン焼きで果て 未曉

牡蠣

焼牡蠣を蓋身に割きし夕日かな 未曉

雪掻き

目覚め善き朝を盗られ雪を掻く 未曉

雪かき

掃くほども無き雪を掃く雪ならば 未曉

冬帝

強い寒波が日本列島を襲っている。寒いという皮膚感覚だけでも十分堪えているのに、衛星画像は視覚にも寒さを見せつける。筋状の雲というやつだ。大陸の乾いた大地で十分冷やされた大気が列島の暖気を貪るべく侵略してくる。 筋状の雲てふ食指冬帝 未曉

洗われて葱や抜身のごと妻に 未曉

マスク

声嗄れていつしか独り白マスク 未曉 聞く人のいてしゃべる人白マスク 未曉

冬耕

冬耕や待つてふ黙の立ち昇る 未曉

ちゃんちゃんこ

野良猫に見回られ居るちゃんちゃんこ 未曉

冬めく     

冬めくや目端に猫を見るカラス 未曉

水涸る

灌漑溝涸れて流れぬ昨夜の雨 未曉

冬ざれ

野良猫の一瞥無情冬ざるる 未曉

霜夜

錆屋根の錆深みゆく霜夜かな 未曉

閉店(三) 

あらためて左右のカウンターを見た。今まで来ていた昼の時間の草庵と同じ場所なのに雰囲気が違う。酔いと灯りのせいかもしれない。スポット照明がカウンターだけを照らす。まだ明るさが残る窓越しの通りはやがて沈もうとしていた。 「蕎麦にしてください」「…

閉店(二)

お茶とおしぼりを持ってきてくれた店主に、白い厚紙をふたつおりにして筆ペンか何かで手書きされた蕎麦と酒だけの手帖大のメニューを形ばかりながめながら「今日はお酒をもらおうかな」というと「お酒は何にしましょう」と問い返された。メニューには私の知…

閉店(一)

札幌に行くと必ず食べに行く蕎麦屋がある。「草庵」という。十年前初めて行った時を当時のブログにこんな風に書いている。 (前略)11時半になっているし「開店したな」と思って入った。するとさっきの女性が「後2〜3分お待ちください」と入り口のベンチに座…

黄落

黄落の風登校の児も風に 未曉

雪の界一朝小鳥騒ぎけり 未曉

立冬

何事もなく暮るる日や冬立ちぬ 未曉

立冬や屋根をカラスの歩く音 未曉

札幌スケッチ 時計台に鐘待つ雨に雪を見て 未曉

神無月

天に土返して農夫神無月 未曉

札幌スケッチ 雨に待つ雪一筋を見たような 未曉

秋の水

小流れに農具ひえゆく水の秋 未曉

渡り鳥

白神岬の一段高い段丘上を歩いているとき空に大きな暈がかかった。後のニュースで幻日やら、○○アークとやらが同時に観測され、珍しい気象現象だったそうだ。 太陽を囲む大きな光の環、二つの幻の日輪、命を賭した鵯の渡りが小さな営みのように思えた。 幻日…