2006-01-01から1年間の記事一覧

例年通り桔梗庵の蕎麦を供する。義母のコンロは強力だし鍋も大きいので快適 蕎麦鍋の湯気消す寒さ年惜しむ 未曉 蕎麦締めた手が温まりて年を越す 未曉

年越しに東京から帰ってくる娘を駅に迎えに行く 小さく手を挙げ子を迎ふ師走駅 未曉 マフラーの中の「ただいま」師走駅 未曉

繭玉用の雑木の枝を切ってきて繭玉飾りを作った 繭玉の縁起の物に増えは無し 未曉 繭玉の影射す電話静かなり 未曉

「蕎麦小屋」の鴨南蛮・挽きぐるみ

新聞などの回想録ではないが、私がお世話になった方々の中にも今年冥界へ旅立った人は多い。その中でも尊敬する教育者の一人であるO校長へは今年もこよなく好きだった酒を持って行った。今年は去年と違い、仏前へ供えてもらうことになるが…。退職後、仁山の…

NHK俳句07/02兼題 初夢 初夢は夢であればと願う夢 未曉 春雨 磯凪を乱すこと無し春の雨 未曉

NHK俳句07/02兼題 「初夢」 初夢の前に利尿の薬あり 未曉 「追雛」傍題「鬼やらひ」 鬼やらひ鬼になりきる面白さ 未曉

苦しさを和らげるもの(3)

山登りの苦しさから逃れるために、私は写真撮影を口実にする。さほどそそられたわけでもないのに絶景ポイントでもあるかのように一言呟いたりしながら足を止め、ザックの左肩バンドにくくりつけたカメラケースからデジカメを取り出してシャッターを切る。後…

苦しさを和らげるもの(2)

数年前尻別岳に登った時、直登に近い所を息絶え絶えに登っていると、突然Saさんが一句できたと言って俳句を披露した。「どうだいいだろう」という感じではなく軽妙な感じで、その場の一行の苦しさを和らげる風に、できた時の気持の有り様や状景などを話し…

棄てられし寒川集落冬凪て 未曉 冬霧に歌人の砂の鉛色 未曉

熊の夢放射冷却野に放つ 未曉 寒紅や吐息語りの「だいじょうぶ」 未曉

苦しさを和らげるもの(1)

登る苦しさを和らげると言うより忘れさせてくれるのはお喋りである。まてよ。自分勝手なお喋りは聞いているだけで疲れるし、別な種類の苦痛が伴うので語弊がある。「お話」というべきであろう。 今日は、最もつらい登りでYaさんが俳句の話を出してくれた。…

苦しさを和らげるもの(七飯岳)序

城岱スカイラインの車道を往復する計画で集まったが、雪の積もり具合から予定を変更して石切り場コースからの登山ルートで登ることにした。 七飯岳頂上直下の大斜面につながる大きな尾根はほとんど削り取られてしまっている。広いゲレンデのような道をダンプ…

{季語閑語]

水雪や墨景遠嶺に届いたり 未曉 双六の何事も無き目や去年今年 未曉

寒紅や無沙汰の理由(わけ)の長々と 未曉 寒紅や電話の妻の声に色 未曉 鳥雲兼題「寒紅」

困ること無いのか無いよ三が日 未曉 鳥雲1月兼題「三が日」 言えぬこと子等にも有りて去年今年 未曉

みなの手に馬鹿塗りの椀鯨汁 未曉 大人びて去年と違ふ三が日 未曉 鳥雲1月兼題「三が日」

水雪に打たれ海鼠は板子の上 未曉 冬凪の鈍色破れ雲丹揚がる 未曉

磯舟の漁師悴み海鼠採る 未曉 冬晴れて顔上げ遠峰懐かしむ 未曉

鈍色の水平従え助宗船 未曉 海に雪海から海鼠終漁す 未曉

助宗をはずす女子衆(おなごしゅ)揺るぎなし 未曉 網の目をはずし助宗のへの字口 未曉

湾面で金酒となりぬ冬日かな 未曉 冬の日や鴎の海を溶かしゆく 未曉

遅々遅々と賀状吐き出す印刷機 未曉 義父と妻夫々の賀状作りやる 未曉

雪予報外れた朝の軽き青 未曉 早起きとなりて外れし雪予報 未曉

薪ストーブ笛吹童子を聞いていた 未曉 冬の虹家の軒間に子を集め 未曉

冬構え忘れて靴も歩き方も 未曉 映画館出て凍っている道歩く 未曉

焚口を父の座にした薪ストーブ 未曉 ストーブの火色の中にみんなゐた 未曉

今日もまた雪。今日もまた雪掻き 雪掻きは郵便屋さんの足の分 未曉 雪掻きや車輪の跡の荒荒らし 未曉

また雪掻きのシーズンが始まった。 雪掻きの雪遠嶺にほふり投げ 未曉 雪掻きや媼の家の細い道 未曉

鳥雲句会 小賢しい句でありたるや雪降り積む 未曉 不撰句を反芻しつつ林檎買う 未曉

一片の雪の重みや枝先の葉 未曉 襲冷の野を研ぎ出して木賊かな 未曉