2014-05-01から1ヶ月間の記事一覧

葉桜

葉桜や今日閉店のされど蕎麦 未曉

田植え

突き出した手植えの尻や田面の空 未曉

筒鳥

筒鳥鳴く吐(ほ)き出す静寂吸う緑 未曉

田植え

田植え待つ水に空色漲りて 未曉

薄暑

コースターにグラスの痕や夕薄暑 未曉

夏めく

水張りの書の薄墨の夏めきぬ 未曉

万緑

万緑は揺るがず雨は音ばかり 未曉

リラ冷え

リラ冷えに隻眼の身を吹かれをり 未曉 整へし小さき畑リラの雨 未曉

風薫る

風薫るウ冠の字好きと言ふ 未曉

郭公

郭公の声の中なる閑居かな 未曉

竹の子

剥き出して竹の子の無垢賜りぬ 未曉

新緑

雁皮山へ 新緑や四十八仏順不同 未曉

葉桜

花は葉にいつしか人の世の畔 未曉

苗売

苗の根の離さぬ土やこぼすまじ 未曉

花の雨

遅咲きにもう散る予感花の雨 未曉

胡瓜

森町濁川郷 土に気に語る漢の胡瓜食ぶ 未曉

黒い薬(3)

採用試験に受かったものの四月採用に漏れ、私が島牧村の教員に採用されたのは卒業した年の十月だった。祖母は認知症(当時の病名は違っていたと思うが)が重く寝たきりで長期に入院していたし、母も体調をくづして入院しているときの赴任支度になった。だか…

黒い薬(2)

ゲンノショウコである。 山形の郡部で育った祖母は、結婚した警察官の祖父と樺太に渡り、次女の私の母が樺太庁に勤めていた父と職場結婚結婚すると、祖父が亡くなった後ずっと我が家にいた。戦後、父がシベリアに抑留されていた中での混乱の引き上げの時は祖…

黒い薬(1)

私が子どものころ我が家には「黒い薬」と呼ばれる薬があった。本当の黒色で子どもの手に余るようなこれも黒褐色の広口瓶の底に剥がれまいとするようにこびりついていた。 そしてその瓶は茶箪笥の最上段の左隅に眠るようにあった。 粗食や堅い物に鍛えられて…

花明り

山門の大戸開けたる花明り 未曉

雀隠れ

為兼題「雀隠れ」 サハリンは雀隠れや母の子で 未曉

花見

女二人背でもたれあう花見かな 未曉

新緑

新緑や津々浦々に鼓せよ 未曉

花吹雪

松前公園 一重八重色も名もみな花吹雪 未曉 山門の大戸を開く花明り 未曉 山門を吹きこぼれくる花の風 未曉

参考書頬に眠らむ花の窓 未曉

私の五稜郭公園(2)

そんなさびしい五稜郭公園が昔函館の主役になったことがある。函館公園とともに北洋博覧会の会場になったのである。準備期間中から立ち入りができなくなった。といっても濠で囲まれているので表門と裏門を閉じれば誰も入れなくなる。お金を取る会場としては…

私の五稜郭公園(1)

私の五稜郭公園 最近五稜郭公園の外壕の石垣が崩れ今年の野外劇は壕は使えず奉行所横の広場で開催されるそうだ。 私が近くに住んでいた小学生の頃は、石垣の崩れはあちこちにあり、そこは私たちの格好の遊び場だった。今で言う「親水」場所だったのである。…

花明り

花明り桜通りの人となる 未曉

花時雨

出支度のままに茶で待つ花時雨 未曉

花筵

五稜郭公園 コンビニのおにぎりも乙花筵 未曉