2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧
新しき明日人吾三月尽 未曉
雪囲い脱ぎしデッキに今年雨 未曉
春の庭花咲かじいさん人が好き 未曉
ふきのとう箸が抓みし大地かな 未曉
春灯やゴンドラの唄歌う母 未曉
新幹線開業祝賀ムード。蚊帳の外にいた。空に絵を描く編隊飛行の時もちょっと外に出て空を見上げれば見られたのに気がつかず本を読んでいた。それでも新聞を読みながら、昭和人としては青函トンネルのきっかけとなった、昭和二十九年九月二十六日の洞爺丸台…
日中温かい日射しの部屋にいた。油断して外に出たら風が冷たい。バスの時間が迫っていたのでそのまま出かけた。飲み終わって外に出たらまた寒さが沁みる。月までが煌煌と寒い。 冴え返る月や帰心を照らしくる 未曉
昼は蕗の薹パスタ。晩酌は蕗の薹味噌で 手作りのにがさ許して蕗の味噌 未曉
川汲台場山 水の面の眼の先の蝌蚪の紐 未曉
春大地呼吸(いき)黒々とうねりをり 未曉
雪代の靴食むところ座禅草 未曉
春惜しむ一別にその一椀に 未曉
渡島当別丸山 聖鐘の中空にあり雪解山 未曉
春寒や異国語鼻の赤くして 未曉
冴え返る弛みし空を絞るごと 未曉
幼鳥の胸にあえなき薄氷 未曉
用事があって函館大学に行った。訪ねる部屋は迷路のような廊下の果てだったので、途中の教室や食堂が目に入った。春休みでどの部屋も椅子ばかりが目立った。聞くところによると函館大学は定員割れの状況だという。春休みが明けてもさびしいのかもしれない。 …
生きものの生きし痕より雪解水 未曉
数えてみたら30余年の教員生活で四度の卒業学年を担任していた。 しかし、真っ先に思い出すのは最初の勤務校の卒業。 年度途中の採用だったため半年は前の担任の後を引き継いだ学級だったが、明けて四月、四年生二十四人を担任した。若かったこともあり公…
季語で言うと干鱈だが、椴法華あたりの浜では「ぼんだら」になる。もっと厳密に言えば「ん」は「う」との曖昧音になる。妻の母親が私のために干したり、知り合いから手に入れてくれたりして、亡くなる前はぞんぶんに食べさせてもらっていた。初めの頃は自分…
抜け道に子の声戻る雪間草 未曉
早春の下海岸 エゾを打つまた打つ春の波頭 未曉
戸井岬に今は半野生化した馬がいるだけの放牧地がある。スノーシュウ歩き目的で行ったが雪は無かった。寒風に吹かれてその牧野を歩いた。 函館山に向かって伸びてゆく下海岸の波が海峡の春を縁取っている。飛行機雲、漁船の航跡、下北に光を返す人工物…春特…
桜餅誰ぞの皿に葉を残し 未曉
三月や自筆署名の止め払い 未曉