2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春泥

春泥や噂の蕎麦屋この奥と 未曉

北限のヒバ日をこぼす蘖ゆる 未曉

種袋

賜らん天地の隙間種袋 未曉

彼岸

彼岸には十二のままの兄もいて 未曉

日脚伸ぶ

自粛せば喋らぬままや日脚伸ぶ 未曉

春の霰

春霰虫の悲鳴のかき消され 未曉

春雷

春雷や腸にポリープできる頃 未曉 私は腸ポリープができやすい身体なんだそうだ。三年前、一度の内視鏡で十数個の小さなポリープを切除した医者が靴の中の小石を取り除いたようにそう言った。

木の芽風

「招致する」「招致しない」で始まった東京オリンピック、今四ヶ月後に控え「完全実施」「延期する」論議になっている。それも内実は商業主義的利害だけだろうが。 そんなに難しいことではない。「オリンピックは参加することに意義がある」原点に返れば結論…

彼岸

あなたの子彼岸の墓へすあま供げ 未曉

春の空

足場伝う大工身軽や春の空 未曉

花守

花守の腰にからから花名札 未曉

干鱈

自粛打ちすえむしり食う干鱈かな 未曉

草餅

喋らずに笑はずにけふ草の餅 未曉

残照に余年たなびくかすみかな 未曉

春泥

農道に土躍り出て春の泥 未曉

雪解け

破れサイロ時間の端に雪とけて 未曉

福寿草

福寿草どの花も虫養ふて 未曉

春場所

春場所無観客とどけ祖父母へ勝名乗り 未曉 幕内に北海道の力士も居なくなりテレビ視聴も遠のいていた大相撲中継を視た。無観客というものがどういうものか視てみたかった。伝統も形無しである。相撲に多い形式美が逆に虚しさを誘う。その中で力士が頑張って…

春愁

悪者になればすむこと春愁 未曉

雛仕舞ひ

余したる菓子の甘さや雛仕舞ひ 未曉

猫の恋

雨一夜ならぬ恋猫朝を嘆く 未曉

春の雪

隠れ家といふレストラン春の雪 未曉

雛祭

捨てきれぬ物と十日の雛の間 未曉

三月

三月や始めなければ終わりなし 未曉

籠もり居を自粛と呼ばむ春遠のく 未曉