2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

秋鯖

秋鯖の味噌を弾きし味噌煮かな 未曉

鳥兜

黒枯れの葉や咲き誇る鳥兜 未曉

山形の柿(2)

木箱は玄関からほぼ一年中据えられっぱなしのストーブがある板の間の隅に置かれていた。夜中、便所に起きたときなど、大きな存在感がありまるで生き物が息をしているように私には感じられた。 二日後ぐらいだったと思う。学校から帰ると母は留守で、おばあち…

山形の柿(1)

山形の柿 子どものころ毎年この時期になると山形から柿が送られて来た。宛先は母方のおばあちゃんこと山本乙女様で差出人は山形県東田川郡羽黒町の当時既に亡くなっていたおじいちゃんの実家だった。戦後樺太から引き揚げてきた我が家は、シベリア抑留帰りの…

木の実

土橋レクの杜 静かさの休止符のごと木の実降る 未曉

コスモス

コスモスをおいてけぼりの日暮れかな 未曉

木槿

木槿咲く曲がり角あと幾つあり 未曉 花木槿挨拶だけの人の家 未曉

秋の風

秋風や携帯持ちて遊ぶ子等 未曉

秋の色

焦心をもてあましをり秋の色 未曉

秋晴

秋日和派手が混じりし山着干す 未曉

竜胆

雲影に御山竜胆色濃くし 未曉

秋の虹

駒が嶺や昏れゆく裾に秋の虹 未曉

秋時雨

笹の渓音さきぶれに秋時雨 未曉

夜長

長き夜の始終を芭蕉全発句 未曉

梨を剥くざらりと濡るる指の涸れ 未曉

野菊

野紺菊汝に差しかくる雲の影 未曉

敬老の日

くぐもりし青い山脈敬老日 未曉

新酒

歳時記には「新米で作り神に供えた酒」とある。今は新米で造られた酒は翌春にならなければ出回らないので、秋の季語には馴染まない。しかし、兼題にはその雰囲気からか良く出題される。 為兼題「新酒」 手に馴れし猪口かしこまる新酒かな 未曉

釣瓶落し

句座果てて釣瓶落しのつれなくも 未曉

色無き風

笹尾根や色無き風に音ばかり 未曉

月余詠

満月や地に人の灯の忙しなく 未曉

十六夜

にはたずみいざよう月をとどめけり 未曉

蜻蛉

とんぼうを帽子に肩に老い二人 未曉

待宵

十五夜の前の夜の月を見て、満月の夜へ想いを馳せたようだ 待宵の月は見られなかったが、8日未明西空に沈みゆく大きな月を見た 西窓に余禄のごとく小望月 未曉

虫の声二人の家を満たしゆく 未曉

鳥威し

大野平野黄色の海 豊年だ万作だポン鳥威し 未曉

秋の雨

終日雨 秋雨や濡らさぬもののそれぞれに 未曉

たかされ紀行・雪花山房の蕎麦(3)

霧雨を避け一刻車で時間をつぶし十時半、少し早いかなと思いながらも会場に行くと、雪花山房のブースの前にはもう既に行列ができていた。打ち場では高橋さんがさっきと全く同じ姿勢でのし棒を操っているのがギャラリー越しに見える。食べる人は私の前に三十…

たかされ紀行・雪花山房の蕎麦(2)

弟子屈の道の駅に着いたのはそば祭り前日の夕方。阿寒・摩周観光の拠点だからだろうかたくさんの本州ナンバーの車に囲まれて私の車が小さく感じられる。 翌日、蕎麦の旅車中泊二日目の朝はすごい雨音で目が覚めた。そば祭りはできるのだろうか、できたとして…

たかされ紀行・雪花山房の蕎麦(1)

車で、独り往復千三百キロかけて一杯の蕎麦を食べんが為に弟子屈町のそば祭りに行ってきた。高橋邦弘さんという蕎麦職人が手打ちした蕎麦を食べるためである。 高橋さんは東京「一茶庵」で修行して東京「翁」を開店後、山梨「達磨」今は広島「雪花山房」と店…