2008-01-01から1年間の記事一覧

今年の終わりも、妻の実家(船大工)の作業場で蕎麦を茹でて迎えている。打ちっ放しのコンクリートの床から冷気が上ってくる。背後、恵山から落ちてくる崖の木々がごーごーと音を立てて、不安だらけの年の終わりのBGMに聞こえる。 灯台の風吹き分けて越の…

今日は正月飾り。注連飾りも舞玉も飾ったとたん淑気を覚える。不信心者なのに…。 クリスマスリースそのまま注連飾り 未曉 玄関を掃除した。今年一年お世話になった山靴の下に、どこから連れてきたのか小さな枯れ葉が落ちた。来年もお世話になる。 山靴の傷み…

季題「春月」、ランタン谷の西に沈む月 神の座を撫して一夜や春の月 未曉 ヒマラヤを慰撫して一夜春の月 未曉 輪飾りに御幣を刺し、昆布を刺して家の中を正月にする 輪飾りの数昆布の数部屋の数 未曉

数えてみると、居間に二つ、寝室、トイレ、使っていない部屋、脱衣室など我が家に10近いカレンダーがある。さらに卓上のカレンダーが三つある。それらの役目が明日終わろうとしている。まだ二日残っているのに…。 日めくりの二句を残して古暦 未曉 新しい…

昨夜、山の手からの帰り、石川町あたりからの裏夜景は冷たさが空気を清浄にしたのかとてもきれいだった。 冴えた灯の車内に溢れ町に入る 未曉 冷え込んだ 頬を刺すしばれ鋭角満ち満ちて 未曉

46協定破棄

給与の改善を図るために、そして戦前の教育へ右傾化の止まない教育行政の振り子を民主教育の位置に戻すためになどのスローガンを掲げ、毎年ストライキを背景に教員が闘っていた時代がある。いや、働く人がいろんな職場で闘っていた時代でもあった。闘う姿勢…

駅に義母を迎えに行くときは子ども達の登校時間に遭遇する。その姿に今までに受け持った子どもの中から似た○○君や○○さんを当てはめてしまう。 凍道ややっぱりあった忘れ物 未曉 今日、病院も年末年始休業に入ってしまうので薬をもらいに行った。I医師。顔は…

今日は朝からびっしり車で走り回り、まずスパーで年越しのための頼まれ買い物。 メモされし具材にぎやか鯨汁 そして椴法華まで。帰り、薄墨色の小雨の海に漁船が出ていた。何艘かは岸から200Mも離れていない。人の動きまで見える。何をとっているのだろ…

季題「悴む」 このごろ、悴むことは無くなった。と言うより避けているし、防寒具がいいので避けられる。悴んだ実感はほとんどが子どもの頃のものだ。 悴んで手袋の中固きグー 未曉 悴んだ背なの宿題途中まで 未曉

帽子がすきで冬用の帽子もいくつかある。その中に、十年以上前に樺太に行った時に買ってきた帽子がある。厚い胸板を重そうなコートに包んだロシア人が被っているあの毛皮の帽子である。本物かどうかわからない。中にボール紙が入っているような感じで、見た…

今日が冬至だったことを忘れていた。月初め暦を見て確かめてはいたのだが、もっと左kのような気がしていた。何をするわけではないがカボチャくらいは口にしなければ…。急遽…。 みそ汁に南瓜多くて冬至かな 未曉 今日から春分に向かうと考えれば 待つことの…

我が家の正月は、注連飾りと舞玉である。舞玉用に近くの雑木から一枝頂いてくる。 まず水木雲に鋸挽く事始め 未曉 今日は終日雨。暖かくていいが…。 冬の雨雪前兆の重さかな 未曉

風のガーデン

「風のガーデン」が昨日で終わった。久しぶりに最初から最後まで見応えのある作品だった。近頃はドラマをほとんど見なかった。背景のない言葉、絶叫型の台詞、目だけが強調される演技…何よりテーマが恋愛、熱血主導で年寄りは見なくていいと言わんばかりのド…

季題「読初」 読初や英治五巻の三国志 未曉 季題「水仙」 水仙が冬の季語とは…。北海道では水仙の黄色は春そのものだ。 水仙の生ふる土色庭起きる 未曉

季題「牡蠣」 牡蠣剥くや軍手に黒き海の闇 未曉 季題「寒灯」 海沿ひに道あり冬灯二光り 未曉

戸井、小安の牧場を歩いた。野生化した馬の糞があちこちにある。電波施設があるため道路があり、馬が下りてこられないように柵やゲートがある。寒い冬この馬たちには厳しい冬が来る。 牧閉じし寒林馬を抱ひており 未曉 海に面した斜面には柏が黄土色の大きな…

季題「牡蠣」 掌中の牡蠣に隙無し静かなり 未曉 季題「寒灯」 寒灯にうすうす夜の近づきぬ 未曉

季題「手毬唄」。小さなころ、鞠つき、おはじきなど女の子の遊びが好きだった。 手毬唄わからぬままに肥後どこさ 未曉 季題「またぎ」。親父の故郷は秋田で祖父はまたぎ出の山師だったらしい。それが、炭鉱の町歌志内に落ち着くことにつながったらしい。今更…

昨夜、大きな月が空に張り付くようにでていた。 月冴へて水銀灯の連なりぬ 未曉 一日賀状の印刷に明け暮れた チチチチと今年を刻み賀状刷る 未曉

今年一年を漢字で表すと「変」だそうな。決してアメリカの政治用語的意味ではなく、おかしいぞ…的な意味に私は受け取る。英語で「大変」は何というのだろう。 極月や「変」といふ字が大書され 未曉 季題「雪庇」 冬山に登ったことはないから、イメージで…。 …

天気予報通り正午から雪になった。湿り気の多い雪だったが、夕方山の手に出かけるころにはほぼ、雨 水雪に街暮れてゆく沈みゆく 未曉 季題「去年今年」 自己処方一病息災去年今年 未曉

来月の季題が出され、年賀状に添えるためもあって師走に新年の句を考えている。 初空に少女の弓手伸びゆきぬ 未曉 去年は去年今年は今年露天風呂 未曉

夜、山の手の編集室を出たらまたあめである。一瞬、昨日の夜中国の音楽がこの暖かさをもたらしたのではないかと思ってしまった。独特の抑揚で引っ張るだけ引っ張るような音は符に表されているのだろうか。 冬の雨符に書けぬ音二胡の夕 未曉 たゆとうて四温の…

午後、句会へ車をだしたら、仁山のあたりから立ち上がった虹が、片脚を横津の方へあげている。途中であ^ちが切れている分、なぜか高く見えるし躍動感も感じる。 片脚を雲蹴るごとく冬の虹 未曉 夜、中国民族音楽を聴きに行ってきた。二胡、楊琴、古箏、琵琶…

永坂更科

帰りの電車まで1時間ほどある。というより最初から計算済みの1時間前になった。昼は「艸庵」で私の好きな蕎麦を食べ、乗車前は蕎麦前を愉しみながら駅近くと決めていた。 店の違いや入り口出口もわからないこのあたりに東京の老舗「永坂更科」というそば屋…

闇の虚空から雪が突然襲撃するように飛びかかってくる。 見上ぐれば闇析出の雪や雪 未曉 朝、雪掻き 放りても空に戻れぬ雪の白 未曉

季題「おでん」 昔、柳小路におでん屋台が並んでいた。一二度入ったことがある。二人連れなのに何を話すでもなく、まさしくおでんを箸でつつきながらちびりちびり呑んでいる。 おでん屋台聞かせるほどでなくなりぬ 未曉 季題「風呂吹き」 風呂吹き大根は熱い…

心配していたプリンターが治って帰ってきた。年賀状をやらなきゃぁと絵にとりかかった。 賀状描く絵になる山をふりかえり 未曉 午前中病院へ行っていつもの薬をもらってきた。今年最後かもしれない空に飛行機雲が延びて行く。少し薄目の青空を、ハイライトの…

季題「枯菊」 枯菊の遮断機音に渇きゆく 未曉 季題「三寒四温」 小諍い四温終いの雨の音 未曉

三与右衛門(さんたて店)

わざわざさんたてと謳っているのだから、ここに打ち場があるのだろうけれど、直線にしたら200Mも離れていないところに二店目である。本店の酔ってくだ巻く小上がり丸見えの店ではない。明らかにしきりで少し目隠しされたテーブル席が奥にしつらえられて…