隣り合ふ彼の世か蝶の昼寝時 未曉

危ふさを知らぬ危ふさ初浴衣 未曉

緑陰や発たねば山頂高きまま 未曉 緑陰や皆行く方を向ゐてをり 未曉

片陰を繋ぎ遊んで塾カバン 未曉

四方青嶺足下に青嶺吾青嶺 未曉 北限に滝の雄叫び山毛欅の水 未曉

昆布敷いて水貝の皿海となる 未曉

銀龍草木下闇を深めけり 未曉 木下闇絶滅危惧種声もなく 未曉

為兼題「浴衣」 深酒の朝を丸め宿浴衣 未曉

焼酎工場見学 焼酎の大甕肩を並べをり 未曉 焼酎の眠りの上の飲み比べ 未曉 新聞印刷工場見学 梅雨寒や刷りたて紙面湿りをり 未曉

夏至の雨天球常に悠々と 未曉 コンピューター落ちる音して夏至の雨 未曉

砂崎燈台 燈台の影に浜昼顔灯り 未曉

雲海や狭き山頂明け渡す 未曉

はまなすや海士の娘の浜言葉 未曉

引きて満つ踊り浴衣の波頭 未曉 藍浴衣つつむ若さや帯あやふし 未曉

玫瑰や指に癒えゆく手術痕 未曉

為兼題「汗」 オリンピック言葉混じらせ汗混じらせ 未曉 俯いて敗者の汗の重きかな 未曉

レントゲンを友抱く如く夏のシャツ 未曉

平教諭てふ矜持あり夏木立 未曉

熊除けの笛息つげば嶺桜 未曉

まるごと食ふ烏賊の三平汁美味し 未曉

喜雨の畑赤銅の肌濡れ止まず 未曉

三千年復た元年の植田かな 未曉

夏帽子かぶったままに蕎麦を食ふ 未曉

為兼題「夕凪」 夕凪や岸壁直角ばかりなり 未曉

苗真直ぐ雨また真直ぐ植田かな 未曉 オウム事件の逃亡者逮捕 あじさいや咲いて戻れぬ色で朽ち 未曉

待たされると思った病院が十分も待たずに終わってしまった。句会までに二時間も出来てしまった。本屋がない街というのもこまったものだ。電車で駅前まで戻り本を買い喫茶店で本を読んで過ごすことにした。井上ひさしの本を買った。吉里吉里人である。冒頭の…

恵山へ。娘は写真、私は吟行。 火の山に熾火幾百躑躅噴く 未曉 霊山を躑躅昇りぬ魂のごと 未曉

大西日風力発電真つ最中 未曉

古道「殿様街道」が廃線となったＪＲ松前線と交わる所に鉄橋がある。今年は居なかったが去年はアオダイショウが三匹とぐろをまいていた。鉄橋が暖かかったのだろう。 レール無き鉄橋蛇の腹に冷え 未曉

大沼から姿を消していた「神無月」が松見通に開店した。おいしい蕎麦で大沼に行ったときの楽しみの一つだったので残念に思っていた。開店の情報を得て早速行ってきた。 住宅をリフォームしたような感じでリビングのような広さの所に、大沼時代のミシンの脚を…