2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧

9月30日は父の命日である。 父の忌の読経を秋の声と聞く 未曉 大野平野を一面黄金色にしていた中に刈田が見えてきた。 光ること揺るること終へ刈田かな 未曉

籤運(2)

私の今までの最高の籤運は半世紀も前のバットである。 その頃まわりりの子のすべてがそうだったように私も全精力を遊びに費やしていた。遊びにも季節感があり、季節に追われるように遊んでいた。雪が溶けると柔らかな地面に釘差しから始まった。早春の寒さに…

籤運(1)

冬を控え給湯ボイラーが不調になり買い換えることにした。そういうものを取り扱っている所に勤めている友人に相談したところ、展示会があり現物が見られるというので出かけた。おおよそ決めてあったし、値段も聞いていたので、展示会の会場ではいくつか確認…

先日当別丸山へ向かう時大野平野の真っただ中を走った。車窓の外は一面の秋の田が広がっていた。黄色の中に微妙なたくさんの色合いが混じっていて見事な実りの景色を見せていた。緑は無いけれど緑を感じる。白も無いが白を感じる。だから単純に黄色とか黄金…

「秋の水」 漣に雲粟立ちて秋の水 未曉 「草紅葉」 風に鳴る積み石いずこ草紅葉 未曉

「晩秋」 晩秋や尻隠さずのかくれんぼ 未曉 行く秋や空(から)涸れ軽く風の中 未曉

「秋思」 秋思から覚めて灯りを点けまわり 未曉 故郷遠く秋思深まるこけしかな 未曉

樺太を想ふた父や秋彼岸 未曉 引き揚げし父抱く街の秋彼岸 未曉 コスモスの声の花垣保育園 未曉 園児らの声の色して秋桜 未曉

「秋冷」 秋冷や発電風車立ち尽くす 未曉 美術館前のナナカマドが色づいた。葉の色づきが遅れている。夕暮れ、夜もこのまま紅いのが不思議に思えるほど実が朱い。 ナナカマド夕陽を溜めて夜も朱く 未曉

「走り蕎麦」 ふっつりと切れて香の立つ走り蕎麦 未曉 「水草紅葉」 雲ぬぐふ水草紅葉空にあり 未曉

「秋刀魚」 炭にまで薀蓄煙し秋刀魚焼く 未曉 「新蕎麦」 借景の窓に新そば大短冊 未曉

写真

今私の部屋にダンボールが5つある。函館高校の新聞局室からと、函館東高校関係の資料が保管されている千代台小学校から借りてきた資料が入っている。私の担当はグラビアなのでほとんどが写真である。局室から持ってきたものは高校生が取材で撮ったもので写…

「葡萄」 ぶどう棚夜は香りをくぐりけり 未曉 「草紅葉」 燎原の火となるまでの草紅葉 未曉

当別丸山に登った。花は無く、紅葉にも早い彩の少ない山歩きだった。すると、ここはどうしてもトラピストが風景の上での彩りになる。 実際は、鐘を背に登って林間に入り木の実の音に気づくのだが 木の実降る山より出でて鐘の丘 未曉 道を逸れて茸探しも始ま…

ふれ合い蕎麦の持ち帰り蕎麦

昨日「ふれ合い 蕎麦打ちの会」で帰りに買ってきた持ち帰り蕎麦を食べた。包み紙に印刷してある茹で時間40秒を目安にしいつものように一本食べてみる。少し芯がある。もう少し…。もう一本「よし」とばかりに笊に上げ、水道水で荒熱を取りながらさっと洗った…

秋刀魚の甘露煮を作ると言う。目が黒い。一匹失敬して三枚におろし皮を剥いて刺身にする。 銀粉をこぼして秋刀魚皮を剥く 未曉 横津山頂直下の池塘 秋の水呑み込んでゐる真っ平いら 未曉

十五夜 芒、野紺菊、鳥兜、蝦夷胡麻菜などを七飯岳から採って来た。近所の家からいただいた見事な栗の一枝、我が家からの鬼灯で満月への供華とした。 蝦夷松山辺りの稜線から離れた空に月が出た頃はまだ太陽が沈む前だった。灯かりを消し月見酒を楽しむ頃は…

袴腰岳・子どもの歩き

前にも書いたが、烏帽子を下り袴腰への登り返しが私の急登の基準だった。そこを小学3年生の前を歩いて登った。 まず下りだ。彼、Ko君に見せるように一歩一歩踏みつけるようにゆっくり降りた。この下りは袴へ登る急登を目の当たりに見えてしまう。それがK…

季題「とろろ汁」 とろろ汁といえば島牧時代こんなことがあった。下宿のばあさんがすり鉢で山芋をすり、出し汁でのばしながら味をみていた。「よし」とばかりに頷くと、左右の手に箸を一本ずつ持ちいきなりとろろ汁を左右の箸にまきつけるように動かしながら…

季題「葡萄または山葡萄」 休憩の小さき空より山葡萄 未曉 頂上へ山の葡萄の酸味かな 未曉

実で… 実玫瑰船に届かぬ灯を点し 未曉 野葡萄や白き実主供緑 未曉

雲ひとつ無い秋晴れである。ちなみに天気予報では北海道地図上にもお日様マーク以外は無かった。北海道上空雲ひとつ無い秋晴れと言うことだろう。Yamaさんと二人で初秋の大沼ウォーキングとなった。山に行かない理由は他のメンバーの都合が悪かったから…

昨日の展示会作品搬出で 作品をはずしギャラリー待つ夜長 未曉 函新句会で来月の季題が出された 季題「走り蕎麦」 新蕎麦は4音だが走り蕎麦を5音として使える。 走り蕎麦手染め暖簾をくぐりけり 未曉

季題「夕化粧」 夕方ひらいて朝萎む花のイメージで 夕化粧開き繁華の遠灯かり 未曉 季題「身に入む」 身に入むやため息ついた空ろあり 未曉

今日も午前中は七飯文化センターに詰めた。ギャラリーホールだけが静で館全体は賑やかだ。認知症フォーラムなるものの会場になったらしい。介護施設で働く人たちや病院の看護師さんたちだろうか若い女性が圧倒的に多い。しかし、その直ぐ隣で短歌と俳句の合…

半日七飯文化センターに詰めて、短歌・俳句合同展の受付をした。来場者25人。ほとんどが文化センターでの他サークルの活動に集まった人たちだ。 歌と句に境界無くて合同展 未曉 午後は、頼まれたプルーンの枝伐りをした。手入れをしない庭にプルーンが隣接の…

俳句サークル例会の帰り国道を走ってきたら大中山神社のお祭りで付近が賑やかだった。境内に露店が並び幼児のお神輿というよりただの練り歩きのような行列があった。 神社前祭り露店の一筋に 未曉 国道を子ども神輿の守られて 未曉

[]季語閑語

我が家の庭は野菜類が実りを謳歌していて、花が少なくなった。仏花を買ってきた。 仏花買う菊や当季の花となり 未曉 それでもあちこちに小輪の黄菊が咲いている。 買ひ来る仏花に庭の黄菊添へ 未曉

季題「台風」 台風や戦う父を見たあの日 未曉 七飯俳句サークルと短歌のサークルの合同展の初日である。飾り付けを手伝えなかったので見に行った。文化センター周辺の木々の間に写生会の小学生が散らばっている。白い画用紙にまだ夏の力を残している陽ざしが…

季題「花野」 殉教のクルス支えて大花野 未曉 昆布岳は日差しも暑く、湿度も高く夏の山だったが花はもう終わりを告げていた。アキノキリンソウやノコンギクが弱々しい彩を山道に添えていた。 山靴に踏まれるまでのノコンギク 未曉