「やまこし」白川郷

takasare2006-01-16

 庄川沿いに156号線を走り、蕎麦荘「やまこし」の立て札を見て荘川を渡ると、木立の中に旅館と一緒に立っていた。合掌造りで建てられているが、建材は今のものと思われる。屋根も萱葺きではない。しかし、旅館と合わせて二棟となれば、相当建築費はかかっているだろう建て方である。中野建材も見事で、もしかしたら梁や柱などはどこかの合掌造りの家の物だったのかもしれない。床も、柱も、卓、椅子もすべてが黒光りしていて重厚。昨日の「翁」とは対照的に、店の構えや雰囲気でもてなそうというコンセプトなのだろう。合掌集落の店としては当然かもしれない。しかし、私にしてみれば蕎麦というより会席料理でも出てきた方が似合いそうな気がした。本物の合掌造りの家よりも高級になってしまっているのである。
 入り口で何度呼んでも返事が無い。あきらめようとしたら、女の人が出てきて、「入っていてください。今電話中なので…」と言ってまた奥へ行ってしまった。時間も時間だが、私一人である。
 もり蕎麦は焼き物の皿に笹がしかれその上に盛られてきた。一箸すする。山形以来の田舎蕎麦っぽい蕎麦で少し懐かしい感じがした。蕎麦はうまい。香りが強く腰も強い。かみ締めて味を楽しんだ。たれは、それほど辛くない。