私的蕎麦の道
あたりまえのことだが蕎麦は結局「好み」なのである。自ずと足が向く店と向かない店が出てくるだけの話なのだ。ネズミのお婿さん探しの話ではないが、本当の「美味しさ」は自分の口の中にしかないのである。 今回松本の「投汁そば」を食べながら、もしかした…
蕎麦の旅の途中こんなエピソードがあった。 『山形県村山市に当時全国に名の知れた「美味しい」という評判の蕎麦屋があり訪ねた。腹を空かして開店と同時に暖簾をくぐった。すぐ後に女性二人に支えられるようにおじいちゃんも入ってきた。この三人連れも開店…
先日の東京から金沢への旅で食べることができた「投汁蕎麦」と「深大寺蕎麦」で私の蕎麦の旅は一区切りついたような気がしている。 蕎麦の打ち方、製法の違い、蕎麦粉の違い、蕎麦粉の割合の違い、つなぎの違い、食べ方の違い、調理法の違い、メニューの違い…
この旅最初の日、千歳のいずみファームで合った人が紹介してくれた「松葉」である。とも言えるが、私のリストにも載っている店だったので私の選択に自信を持たせてくれた店でもある。日勝峠を降りてきて日高町、本の地図では富川駅前になっているが、一軒の…
芽室町から清水町までわずか40分、10数年前の記憶を頼りに地図で探したが見つからない。思いあたる建物はあるが、目分料という看板ではない。当時新興の蕎麦屋で閉店した蕎麦屋も少なくないので、その例かな?と思ってあきらめかけ、国道に戻ったらYaさんが…
帯広の森公園内の「野草園」や「美術館」を見た後に芽室に向かった。それでもこのあたりは隣り合っているので、すぐついた。川北温泉温泉の一角の在ると言うことなのでわかりやすいと思ったが、川北温泉自体が道路から見えないところにあり小さな標識から細…
釧路の中心街北大通東家を名乗るのだから竹老園の分店か支店に違いない。そこで緑色でないしかも手打ちを始めた店と言うので、なにか革新的な意気込みみたいなものを感じてマークした。 釧路の中心街にもかかわらず、それももう少しで正午と言う時間なのに人…
函館丸南の流れを汲むということと、緑色の蕎麦を出すという二つの理由で、手打ちではないけれど寄ることにしていた。また、道東では東屋総本店として多くの分店支店を持つ蕎麦の老舗でもある。釧路のあちらこちらに「東屋」を名乗る蕎麦屋があった。 探す手…
2006/10/04 釧路で友人と会う約束もあり、暗くなってから予約したホテルを探すのも面倒なので、予定した北見の蕎麦をあきらめて、訓子府から北見をかすめ釧北国道を南下した。トイレタイムと運転手交代で寄った道の駅「あいおい」に手打ち蕎麦の看板がある。…
2006/10/04 夢破れたとはいえ「ふるさと銀河線」にかけた町らしく、廃線を抱いた訓子府駅はかわいらしくきれいで、それに続く町並みも明らかに人工的だが明るく楽しげである。その駅前に「風花亭」はあった。店主のこだわりが大書されて店頭を飾っている。紙…
2006/10/03 Yaさんを車に待たせて「あじよし」に向かった。蕎麦MAPのとおりすぐ近くにあった。この店は昔、幌加内のそば祭に来たときに地元の蕎麦屋ということで寄った店に違いない。幌加内の中心部で国道に面していた食堂の印象と重なる。入ったら客は…
2006/10/03 昼食時間が一区切りつく12時50分ころ幌加内「八右え門」の大きな幕を見つけた。道路を挟んだ所に公共の施設があり、駐車場が空いていたので停めさせてもらった。入ったところは普通の家の普通の玄関でどうやら店は角を曲がって方向にあるらしい。…
2006/10/02 この店は、数年前本で知ってから食べてみたい一店だった。朝時間をつぶしてから滝川の従兄弟の弔問をし、旭川・旭山動物園を見てからまた滝川に戻るという無駄の多い行動をした後午後3時頃「いわ雪」の戸を開けることができた。さすが午後3時では…
2006/10/01 順調に走り、4時半頃一日目の宿泊地「奈井江の道の駅」に着いた。4キロほど離れた奈井江温泉で汗を流した後、翌朝の朝飯をコンビニで用意してから道の駅内にある「からまつ園」支店で夕食にした。私は、もりそば。Yaさんは朝昼に続き晩も蕎麦…
2006/10/01 特にそそられたわけではないがかけそばを追加した。改めてお札のような食券を購入し、窓口に出した。麺に変化はない。期待したひなびた蕎麦の風味は味わえなかった。温かい掛け汁のせいか麺の角は、もりにもまして丸くなってしまっていたし。舌触…
2006/10/01 千歳から長沼に向かうR337(道央国道)の両側は大区画の農地が広がっている。道東道の高架をくぐってすぐ「いずみファーム」が農産物を買ってもらったり、農地の景観を楽しんでもらったりする広場がある。その一画にビニールハウス風の直売所があ…
2006/10/01 一店目は高橋邦弘氏の流れを汲む「達磨」である。豊浦からカルデラの外輪山を登り、その稜線上に当時話題になったホテルがあり、その中に「達磨」はある。昨年の安曇野の「翁」以来、景色の中で味わう蕎麦を今日は味わえそうだ。 8時に出発して…
2006年の私的蕎麦の道は、新蕎麦の時期に北へ向いた。今回は、この馬鹿げた旅にYaさんが同行したいと言うので、二人旅になった。 計画は蕎麦を中心に私が立て、それ以外の時間(というより、蕎麦を食う為の時間調は現地で考えよう)と言うことにした。その他…
娘二人が新たに居を構えたのが、さいたま市の与野本町。東京の蕎麦を食いがてら、引越しを手伝いに行った。止まるところもあり、手伝いと言う大義名分もあるので気が楽だ。そのアパートの近くに「なかむら」という手打ちの蕎麦屋をみつけた。切り出したまま…
この次、迷わず来れるように、店の前の道路をまっすぐ出てきたら、その道は「御徒町中央通」だった。そして、そこは上野駅に渡る大きな横断歩道の前だった。この次は迷わない。昨年ネパールの帰り、みんなを「藪そば」に案内しようとしてできず、一人になっ…
上野駅から御徒町への大きな通りから、不忍池から二本目を入って…そこまでは間違っていなかったが、そこからの距離感がちがっていたため、御徒町方向へ曲がってしまい痛い足をひきずって一画を一回りしてしまった。何のことはない、最初の道を後10mも行け…
銀座線三越駅で下りて室町方面の出口から室町4番地方向に歩き出した。黒塗り、日本風の入り口に砂場の文字、入ると、左手に大きなガラス越しに坪庭があって皿に日本的な雰囲気を作り出している。壁際の隅に席を取る。体のどこかが壁に接していないと落ちつか…
乗り換えの下手さから時間を食ってしまったし、足も痛いので荻窪の「元むら庵」はあきらめた。たぶん以前にも行ってるのでそのまま電車を下りなかった。 西荻窪駅の南口の階段を下りると、鼻をぶつけそうな狭い道に小さな店が軒を並べている。地番で見当をつ…
江戸蕎麦やぶ系の祖、堀田七兵衛の胸像が入り口脇の小屋根の下にあった。「まつや」から一分もかからずに着いてしまう。時間前なので痛い足を引きずりながら一画を一回りして竹が見越す板塀に囲まれ、戸口から飛び石伝いに6〜7m奥まって格子のガラス戸を…
丸の内線を淡路町で降りて、須田町方向の出口から神田の街に出る。 書いているとそれだけで江戸の粋な気分になってしまいそうな地名が続く。お上りさん丸出しである。陸橋を渡っているとそこからもう「まつや」は見つけることができた。11時開店をわずかに…
娘二人と浜松町で合流夕方までの時間つぶしに浅草寺を選んだ。内心、「並木藪」にいけると思った。馬車道通りから横入りに仲見世に入った。三人と別れて矢印に促されて雷門につき頭の中の地図で見当をつけ交差点をわたった。蕎麦屋雰囲気の看板があり、その…
ひとやすみの後は東京に来た。娘の引越しを手伝うと言う名目で何軒か巡りたい。そばの歴史を語る上で東京と言うより江戸は欠かせない場所だ。山里の食べ物を当時のファーストフードとして取り入れ、江戸風のそばとして作り上げ、「ツウ」としての食べ方まで…
県名で言えば青森から京都まであらかじめ得た情報をもとに、各地の蕎麦を食べ歩いた。私なりに「これぞ名店」というお蕎麦屋さんにも行けたと思うが、知らずに前を通り過ぎた名店も数多くあったに違いない。この旅を終えて「蕎麦紀行」としてまとめその序文…
夕方舞鶴に着いた。終わりかと思うと運転がいやになり、夜8時までと言う駐車場に車を入れてしまった。回転寿司でも…と思いながら町を歩くが何も無い。食い物屋に限らずほとんどが閉まっている。人通りも無い。あきらめて駐車場そばにあったレストランにしよ…
「ふる里」の近くにあり、探す苦労も無く見つかったし腹に余裕もありそうなので入った。最終日とはいえ、昼一時間半のうちに三軒のはしごである。ここでは」もり蕎麦を頼んでみた。たれは甘めで、麺は機械で押し出したように表面が滑らかで長くうどんのよう…