2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

枯葎

我が家の大きな窓を塞ぐように、将来は江差まで伸びると言われている高規格道路の高架が横切っている。この高架道路の下は伴って使えない行き止まりの副道を作ったから約70M幅の荒れ地になっている。住み始めた頃は田んぼがあり蛙が鳴く場所だった。 枯葎…

節分

クリスマスは何もしないが七夕は笹飾りを玄関に飾り近所の子供を迎える。娘たちが家を離れていてもお雛様は飾る。バレンタインは関係ないが節分には仏壇から下げた豆をいただくようにしている。鬼は外福は内の豆まきも本当はしたいが、子供がいないと寂しさ…

三寒四温

季語というより気象用語なのだろうか。この頃の一週間にピタリと当てはまる言葉だ。一見科学的なこの言葉にも待春の思いを巡らしてこそ俳句なのかもしれない。 猫の道四温の雨に光りたり 未曉

凍み豆腐

小学生の頃隣が豆腐屋だった。寒中の今頃は凍み豆腐づくりを思い出す。冷えそうな月夜などは私の部屋の窓から豆腐屋の物置の小屋根にざるに並べられた豆腐が見えた。 豆腐屋の寝落ちて豆腐凍み深む 未曉

群来

鰊の産卵で白濁した海岸の報道があった。私は単純に美味しい鰊が安価に食べられることを期待するだけだが、北海道ではいろんな人にいろんな思いを抱かせる報道でもあろう。 籠り居に群来のうねりの小波ほど 未曉

春浅し

雪が少ない。いつもならウッドデッキに積もる雪が、屋根からの落雪と一緒になって掃き出し戸のガラスを壊すほどになるのに今年はウッドデッキを覆うブルーシートの青が見えてしまっている。いつか仕返しのようにドカ雪が降るだろうと油断しないようにしてい…

冬夕焼

一週間ほど前、懇意にしている地元の農家からたくさん野菜をもらった。その中に30本ほどの長葱がある。白い部分が長く太く立派な長葱である。当然美味しい。美味しい内に食べようと昼の麺類に、晩酌の当にと積極的に楽しんでいる。晩酌では、焼いて味噌マ…

寒念仏

たまたま桔梗方面で見ないだけなのか、それとも函館ではやらなくなったのか、寒行を見かけなくなった。寒行をしている人には悪いが、ひとつの寒中の風物詩として懐かしい。 太鼓より声より太鼓寒念仏 未曉

煮凝り

遠く8500KM離れていても彼の地の複雑さと危険さは想像できる。一人の人の行動はわからないが、もう一人の人の人種や宗教、思想を超えた行動はわかる。しかしその人がそういう複雑危険の中で一人の日本人を助けるということの行動がわからない。友情とい…

大寒

寒すぎるニュースとともに今日大寒。 大寒や生きとし生けるものの呼吸(いき) 未曉

もちろんスーパーの鮮魚コーナーから買うのだが初烏賊、初サンマ、そして初ニシンは食べたい。海産の街函館に住む人間のささやかなこだわりである。時を選ばず全国の魚が流通する今、走り…の魚など厳密には言えないかもしれないが、近くのスーパーの店頭に出…

冬枯れ

昭和90年である。 冬枯れや昭和の人のまた一人 未曉

着膨れ

父が亡くなった時、小さな箪笥一つの衣類と、写真や書き物類の入った木製の小抽斗一つが残されただけであった。遺品整理などということが必要のない亡くなり方だった。少し憧れているがなかなか難しい。捨てるにも体力気力の在るうちだと思って年初の計に入…

穏やかさに誘われて図書館に行ったり、使わなくなったパソコンやプリンターをリサイクル業者に持って行ったりした。ついでに調べてもらった年末ジャンボの宝くじも3000円が当たったが元は取れず、アジアカップもPKの1−0では興奮することもなかった。い…

春浅し

大寒もまだというのに、春を思わせる穏やかな日が続いている。妻は「運動不足になるから雪が降ってもいいのに」などというが私は要らない。 カタカナで聞こえる言葉春浅し 未曉

寒卵

昔の農家で庭飼いの鶏卵は寒の時滋養がありそうだが、今、工場のような養鶏場で走り回ることもできず、他の鶏と喧嘩もできない鶏の産む卵に有難味は少ない。 結核で入院した母のため、我が家で鶏を飼ったことがある。その時たまに産み落とされた卵は寒の時を…

流氷

水平線上に白い筋状のものがテレビのニュース画面に映る。先日の寒波でアムール河口で結氷したものがその後の暴風で流氷となりオホーツクを南下、今日が流氷初日となったそうだ。接岸はまだだそうだ。最近直木賞をとった作家が水平線、地平線ならぬ氷平線と…

短日

パソコンの明るい画面に向かっていると、いつの間にかまわりが暗くなっていて何故か焦った気分になりうろたえたりする。 同じことだが「夜長」というと秋の季語になり、「短日」というと冬の季語になる。季語は奥深い。 短日や影無く椅子を離れけり 未曉

雪催い

昨日旅行の整理をしていたら御神籤が出てきた。 羽田について時間があったので、芝増上寺へ初詣をした時のものだ。我が家の菩提寺函館称名寺、年末に亡くなった義母の菩提寺椴法華光圓寺の総本山である。 中吉をいただいた。 中吉に失せ物い出ず雪催い 未曉

水垢離

水垢離の僧衣に戻る祈りかな 未曉

七草粥

炊飯器のおかゆ機能で七草粥を作った。鶏がらスープで炊き、卵でとじていただいた。喪中、旅行と正月から取り残されたような感じのする新年だったがやっと「何かした」気分になり落ち着いた。 数ふれど七草粥の雲の中 未曉

冬の海

隣のおばさんから活きているホタテを戴いた。早速剥いた。ウロを取っていると貝柱が断末魔のように収縮する。 帆立貝の末期に余し冬の海 未曉

寝正月

新聞もなく、テレビもチンプンカンプンのホテルでは飲むしかない。 聞か猿と見猿と飲んで寝正月 未曉

若水

旅先であれば、若水はペットボトルの水になった。 若水を畏れ多くも酔ひ覚まし 未曉

雪嶺

年賀 雪嶺を拝むことより始めけり 未曉