2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧
函館周辺の山に初冠雪相次ぐ 山高きゆえの孤独や雪催 未曉
冬構へ越さねばならぬ六月山 未曉
赤い羽根襟確かめて前に立つ 未曉
知内渓谷 紅葉且つ散る川痩せて山痩せて 未曉
兄弟三人が次々使った傷だらけの机、首が自在に曲がる丸い傘の卓上灯。ノートパソコンに向かいそんな昔を思い出してしまった。 灯火親しペンパルといふ友在りし 未曉
鵯の渡りの後は知内渓谷の紅葉狩りになる。 今年は良いの悪いのと言ったってやっぱりきれいだ。知内川をはさんで向かい側の山肌を覆う紅葉の美しさは絵にも言葉にも写真にも写せない。熊の痕跡もある林道を終点まで走り、大千軒岳の登山口で紅葉に囲まれて昼…
松前白神岬に鵯の渡りを観に行った。地図を持たない鵯が今年もちゃんと北海道最南端に集結していた。岬の展望パーキングに車を止めるや否や背後の段丘上から一群が海へ飛び出し磯へ急降下した。何があったのか海峡へ向かうのを止め磯伝いに松前のお城の方へ…
畑は土に流れは海に神無月 未曉
黄落の寺をこぼるる仏意かな 未曉
白菊や父母へまつすぐ香の煙 未曉
秋蝶の光と化して草に入る 未曉
秋の虹たちまち消えて無名峰 未曉
私が住んでいる桔梗野はサイベ沢川とニンニク沢川に挟まれた丘、縄文時代集落があったサイベ沢遺跡の上にある。娘は子供のころは畑の隅から縄文土器の破片を拾ってきて集めていたほどである。 苦労しなければならないが、畑や、家々や、遠い市街地などという…
カラスにも美食の季ぞ大刈田 未曉
山ぶどうの見えて届かぬ爪の後 未曉
木の実降るひたすらにただひたすらに 未曉
後の月西方浄土肩の辺 未曉
白い皿に簀の子が敷かれその真ん中に山に盛られている。2,3本すする。歯応えがいい。新そばの香りは薄いが蕎麦の味がきちんと伝わってくる。つゆを付ける。甘めのつゆだがそば祭りなどで出されるほどではない。案の定山に盛られたそばはからまって自分の…
福島町やせたな町のそば祭りで新蕎麦を食べたが、落ち着かない中、発泡スチロールの器ではやはり食べた気がしないでいた。桔梗庵は無くなったし、志ら川は暖簾を下ろしたままだ。自分好みだった店が無くなるとこういうときに困る。二、三日思いあぐねていた…
我が家ではじゃがいもは近所の農家から大きすぎるからとか、黒くしみがついているからとか、形が悪いからとかの理由で売り物にならない、または安い値段しかつけられないものを分けてもらったり時にはいただいたりして食べる。安くおいしく食べさせてもらっ…
体育の日や笹の風負いながら 未曉
さんま饅しゃべり上戸と聞き上戸 未曉
山に入ると先日の台風害での倒木が目立つ。倒れてなお季節に従って葉を色づかせている。立っている木の紅葉は見る紅葉だが、倒れている木の紅葉には見られているような気持になる。 倒木に生きしついでの紅葉かな 未曉
月の窓寝床一畳あればなり 未曉
病とや穫り残されし南瓜一つ 未曉
露深し一別以来恙なく 未曉
人と人の「ずれ」が前ほど気にならなくなってきた。それだけ社会との関わりや利害が希薄になってきたということか。その分、金や権力や暴力でその「ずれ」を抹殺しようとする者には怒りを覚える。 吾の些事君の大事や花茗荷 未曉
町はずれの露天の駐車場。入ってきた無言の二人連れが無言のままに別れてそれぞれの車へ。先に一人がクラクション一つ鳴らして左折して出て行った。そのあともう一人の車が右折して出ていった。クラクション一つ、数時間後か若しくは明日にでもまた会えるか…