2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧
夕焼けて紅葉葉栞る誕生月 未曉
十月を和綴じ句帳に紙縒紐 未曉
逆上がり黄落空へ蹴り戻す 未曉
南瓜寝かす濃淡の無く秋闌けて 未曉
人と人の間にコロナや秋の野や 未曉
草の実の紅花の時白きほど 未曉
胸底に病葉沈め秋の水 未曉
雨晴れて山に膨るる紅葉かな 未曉
ぶらんこを漕ぐ大人いて秋の暮 未曉
壊せても割れぬ別れや山胡桃 未曉
脱穀米空に吐かせて稲刈機 未曉
黄落や子等の大きな背番号 未曉
病床を過ぎる一食菊膾 未曉
人里のすぐそばにある熊の冬 未曉
臭木の実むかし市境古峠 未曉
リハビリの部屋にかけ声秋日差し 未曉
冬へ走る親子ジョギング親が前 未曉
秋天の虹たちまちのエタノール 未曉
新米の食味比べやスーツ着て 未曉
銀杏公園に入る乳母車金色に 未曉
病葉の土を求めて秋の暮 未曉
冬こぼるる端山空裂く隙間より 未曉
稜線の北は手ぐすね冬隣 未曉
私は母が逝った年齢74歳と父が逝った年齢84歳を越えるべき二つの嶺として意識してきた。母の嶺は念のためと切除した大腸ポリープが調べたら癌化していたという幸運の内に越えることができた。次は84歳の嶺である。しかしその道は平坦な道ではなかった…
非常口に病葉来たり紅葉す 未曉
田に沈み落ち穂でつなぐ鳥の旅 未曉
秋風や左の手足薄薄と 未曉
十六夜の夜半に届かぬ高さかな 未曉
ななかまど小鳥を紅く染め放ち 未曉
親離れてふ糸見えて木の実降る 未曉