2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

数え日

数え日や燃やせぬゴミと燃やすゴミ 未曉

南瓜

義母の葬儀の間に冬至が過ぎた。慌ただしく小豆かぼちゃを味わった が、昨日改めて冷蔵庫に残っていたものを温めなおした。実感はないが冬至を過ぎたというだけで春を思うから不思議である。 残りたる冬至南瓜の甘さかな 未曉

義母の葬儀の後、椴法華に来ることも少なくなるだろうと思い、妻の実家の近所や親戚に挨拶回りをした。幼児の頃義母に預けられた娘二人も可愛がってもらった人たちだ。刺し網に漁があったらしい。あちこちの家で浜の母さんに戻ったおばさんたちが鱈やスケソ…

室咲

室咲の万花に高き遺影かな 未曉

手袋

手袋に爪切る指や骨納め 未曉 次女に義母との思い出を訊いたら、「最も古い思い出は、函館の街をババに手を引かれて歩いている自分」と答えた。義母は共働きの娘夫婦に預けられた三歳児をどうしようもなく、バスで片道一時間半の函館での所用に連れて行かざ…

マスク

マスク取り高き遺影に念仏す 未曉

境内に和讃は雪となりて降る 未曉

悴む

通夜の星送る人皆悴みて 未曉

着膨

焼香の着膨れし背や蜑の里 未曉

凍る

朝、函館市街は未だ道が凍っている。椴法華の我が家へ帰る義母の車を心配しながら自分も慎重にならざるを得ない。しかし、戸井のあたりから道路は乾き、周りには雪も見えない。ゆったりした気分になった。同乗の娘と義母の思い出話をしながらいつのまにかド…

数え日

心配された大荒れの低気圧がここ函館では穏やかに過ぎてくれたが、その一安心の深夜、義母が逝った。外はキンキンと音を立てるように凍っていたが、空には低気圧の余塵のような雲の合間に凍星が見えた。今年も後残り少ない。 数え日や母の旅路に雲間星 未曉

道東は大雪、吹雪、高潮と大荒れとのこと。道南は地吹雪っぽい雪もすぐ晴れ間を見せ心配した程ではなかった。しかし、義母の容態の急変の知らせを受けて病院へ。気持ちは焦るが雪の道路の渋滞は激しくイライラさせられた。幸い持ち直してくれた。 孫来るたび…

師走

退職してから12月は師走ではなくなった。一方街やテレビはクリスマスだ。身の置きどころがなくなったような変な月だ。 電飾の光の外の師走かな 未曉

クリスカスツリー

外食のついでにクリスマスファンタジーとやらも見学することになった。頬も痛いようなシバレの中七財橋に立って点灯式を待った。幼子を連れた若いパパ・ママやカップルが多い。その輪の外から眺める。どうやらその中に入っていけないのは年齢のせいばかりで…

師走選挙だが支援者からの投票依頼の電話もなく、街頭の連呼も聞こえたような聞こえないような遠さである。自分の都合だけで解散権を振り回すのも憲法が与えた権利だから結構だが、選挙させられる身に…。所詮無駄か、あの人には。吹雪の中投票してきた。 雪…

終日雪。雪で窓の外は何も見えない。選挙の連呼もはるか遠い。 選挙とは誰のためやら雪すだれ 未曉

賀状書く

今年初頭先輩女性からの年賀状に「年賀状終了宣言」があった。郵便局の年賀状の売り方にも腹立たしさを覚えていたこともあり、その時は同調の意を強くしたが、結局年賀状を書いている。不甲斐ない。 書いてみると例年より20枚位少なくなっている。終了宣言…

産卵を終えた鮭には生きている証のようにその頭を上流に向ける。遡る力はない。そこにとどまるのがやっとのように尾鰭を弱々しく振リ続ける。流れが早くなり遡ることを諦めた時鮭の命はおわり、岸辺に打ち上げられる。鷲や狐に見向きもされないまま朽ちてゆ…

冬の花火

高校時代の部活の仲間との飲み会を三ヶ月に一度やっている。今回は函館山の頂上レストランを会場にした。ロープウエイの往復券込だが、私は他の二人と歩いて登ることにした。 寒さや、積雪や暗さを心配したが、曇ってはいたが穏やかで昼間の登山者で踏み固め…

鷲を見に行ってきた。今年もまた見られる数が減った。三時間居て私の肉眼で確認できたのは十指に満たない。ホッチャレも少ない。 遊楽部川が大関で大きく蛇行するところの大木に一頭見つけた。百メートルは離れているがこちらの気配を察したのか大きな羽を広…

寒波

先週四国に大雪を降らせたの今冬の寒波第一波、来週第二波が来るという。低気圧の中心が北を通るということは東北、道南が吹雪くのだろう。 天気図に矢印太く寒波来る 未曉

クリスマス

街中どこへ行ってもクリスマスメロディーが流れている 今日死ぬ子明日食へぬ子クリスマス 未曉

冬木立

為兼題「冬木立」 葉が茂っていて見えなかった展望が冬木立越しに見えるような気がするが、実際はモザイクが掛かったようで欲求不満になる。とくに見たいものが見られない。 透かし見れば故郷こなごな冬木立 未曉

冬籠り

先日行ったレストランにストーブが燃えていた。言葉遣いとしては間違っているが、この言葉のほうが暖かい。 レストランのストーブは北欧風の洒落たものだったが、私は子供の頃の懐かしい薪ストーブを思い出し、その前に座った父を思い出していた。茶の間の中…

十二月

齢をとってからは「もう…」が付いてしまうことが多いが、十二月は「もう…」が生活の全てに冠せられる。そしてそれが何かを催促しているように思える。閑人にはやらなければならないことなぞ何も無いのにである。 流れ込み泡立つ堰や十二月 未曉

忘年会

喉が乾き、腹が空いて目が覚めた。まだ寝ている二人に気を使いながら窓を開けると大森浜に大荒れの波が白く泡立ちながら打ち寄せている。朝風呂にゆったりと浸る。昨日の午前十時からの遊び呆けの一日の余韻を楽しむ。昔は単なる飲み会だった十二月の飲み会…

吹雪

俳句など無縁の学生時代の遊び仲間が、45年を経て退職後ひょんなことから月一で飲もうということになり、酒だけでは長続きしないから俳句という車輪も持とうと、名づけて瓢箪句会が満四年になった。飲むのはみんな酒歴は長いので簡単だが驚くべきは月に三…

雪催

暴風、豪雨で十二月になった。この低気圧が抜ければ西高東低の冬型気象になる。テレビの天気予報画面の筋状の雲も日本海を東へなびいている。12月にも心構えは必要だが本格的な冬の到来にも充分な構えが必要だ。 冬帝が髪振り乱す日本海 未曉