2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧
薔薇の刺の老いて春日に尖りけり 未曉
春燈や仏心二行の葉書読む 未曉
誰やらの人事の噂草朧 未曉
人住めぬ地をこそ濡らせ木の芽雨 未曉
落とされし枝も桜木木の芽雨 未曉
恋猫の喉奥赤し大欠伸 未曉
おぼろ月得ることよりも捨てること 未曉
田の形に誘うごとく春の土 未曉
無為の身に四月始めの備忘録 未曉
私が子どもの頃我が家でも置き薬を利用していた。毎年時季になると薬売りがきて使った薬の代金を受け取り、新しい薬を補充した。母はお茶を出し、時には弁当を使わせることもあった。最後に小さな薬箪笥の一番下の引き出しから紙風船を一つ、母の側にいる私…
東京の娘から目黒川の桜の写真がメールで送られてきた。出勤の時少し大回りしての花見らしい。 そのまま俳句になった。 いつもより大回りして花の朝 未曉
雨彼岸父母には異郷吾が故郷 未曉
ぶらんこはどこにでもある。あれば大人でも乗ってみたくなる ふらここや隣動かぬ以後の春 未曉 ふらここの無人の町に垂れ下がり 未曉 こげばこぐほどふらここのすれちがひ 未曉
ぶらんこの風にも揺れぬ隣かな 未曉
風車微風(かぜ)と一緒に売られけり 未曉 風車子どもの似合う向かい風 未曉
永き日や肴思案と言ふ肴 未曉 永き日や仕切制限時間あり 未曉 あつけなき結び一番日永かな 未曉
習作 為兼題「四月」 白線の白さ眩しき四月ありし 未曉
習作 為兼題「木の芽」 木の芽見の木の芽に見らる雑木山 未曉
習作 為兼題「四月」 セルロイドカラー馴染めぬ四月ありし 未曉
諍ふて屁理屈残る冬の果 未曉
復興の二文字覆ひし春の雪 未曉
霾や目覚めもの憂き昼下がり 未曉
木の芽吹く声あるものは声を挙げ 未曉
被災地や輪廻転生木の芽吹く 未曉
みあかしの火芯まっすぐ夜半の冬 未曉
おのおのが今立つところ冬の果て 未曉
啓蟄や入試問題新聞に 未曉
毛氈を布団のごとく雛納め 未曉
山とよまむ木の芽吹く音あらばこそ 未曉
春浅しふと口を衝くケ・セラ・セラ 未曉