蝦夷編 釧路「北大通東家」

takasare2006-10-18

 釧路の中心街北大通東家を名乗るのだから竹老園の分店か支店に違いない。そこで緑色でないしかも手打ちを始めた店と言うので、なにか革新的な意気込みみたいなものを感じてマークした。
 釧路の中心街にもかかわらず、それももう少しで正午と言う時間なのに人通りが全く無い。店の前に車を一時停めて駐車上を聞いたら、午後一時までは店の前に停めていいという。気がついた。道路を挟んで向かいは丸井デパートが立っていた。シャッターが下ろされている。そういえば昨日Hoが「釧路は衰退している。その象徴が丸井デパートの閉店なんだ」と言っていた。店に入ると壁に(手打ちそば)(今日の蕎麦は○○そば)と張り紙がたくさん張られている。フムフムとしたり顔でうなずいて「もりそば」と注文した。Yaさんも同じ。しばらくしたらたった一人いた先客に蕎麦が運ばれてきた。「あっ」と思った。その蕎麦の色は、さっき竹老園で食べてきた緑色をしている。この店は、と言うより東家ではいや釧路では蕎麦と言ったらこの緑色の蕎麦のことで手打ち蕎麦は特別なものなのである。特別なものは特別に断って注文しなければならないのである。おそるおそるおばさんに尋ねてみたら、推察どおりでもう変更は無理だと言う。一くさり愚痴ったが、おばさんは気の毒には思ってくれたが「前もってそういってくれれば…」と言うだけ。(それはこっちの台詞だよ)と思いながら(あまり美味しくないものを2杯も食べて肝心の手打ちが食べられなくなるのは癪に障る)と思い、緑色のもりそばを一枚捨てて、手打ちを追加した。
 手打ちの美味しさはあったように思うが、あまり美味しいとは感じなかった。そばも平常心で食べなければ美味しさも感じないのかもしれない。その証拠に「写真撮らなかったんでない?」と言われて始めて気がついた。そのときはもう蕎麦は残っていなかった。
 釧路の蕎麦は緑色なのだ。