蝦夷編1 洞爺「達磨」

takasare2006-10-02

2006/10/01
 一店目は高橋邦弘氏の流れを汲む「達磨」である。豊浦からカルデラの外輪山を登り、その稜線上に当時話題になったホテルがあり、その中に「達磨」はある。昨年の安曇野の「翁」以来、景色の中で味わう蕎麦を今日は味わえそうだ。
 8時に出発して2時間で豊浦に着き、上り口を少し探したが、11時半開店の1時間前にはホテルの駐車場に着いてしまった。洞爺湖側は急斜面でゴンドラのワイヤーがホテルまで張られている。下の方にゲレンデも見える。そして洞爺湖のパノラマ。反対側にはなだらかな斜面にゴルフ場が広がり以前はスキー場もあったそうである。写真を撮りながらホテル周辺の散策で時間をつぶした。
 達磨は11階にある。行くと時間通りに暖簾が出され、窓際の卓に案内される。湖側は全面ガラスでアールをもって張り出している。その壁面全面に洞爺湖と中島が広がっている。急に大男になって一歩踏み出せば湖を足首まで入れて歩けそうな錯覚にとらわれる。もり蕎麦を注文した。一番乗りなどと思う間もなく、客が続いた。このホテルに泊まっていたらしい人達。開店に合わせて蕎麦を食べに来た親娘連れ。絶景の窓際の6人テーブルを二人で使っているのが申し訳ない気になる。
 出された蕎麦は、薄緑色で見るからに新蕎麦だ。口に入れると蕎麦の味と香りが強く鼻をくすぐる。たれをつけずに二口も食べた。見た目は柔らかそうだが、舌触り口当たりはそば特有の感じがあって細打ちなのにしっかりしている。たれは、辛口で麺の先を浸す程度で十分楽しめる。わさびが必要ないほどそばの香りと特有の甘さを味わえた。蕎麦湯はあまり濃くはないが、今日の最初の蕎麦だとすれば、鎌の湯そのままのそばゆではない。美味しくいただけた。店の女性は3人ほどいたが、みんな気持のよい対応で雰囲気をよくしていた。
 もり蕎麦890円。今回の蕎麦紀行でも他店に比べると2〜300円高いが、この絶景料とこのホテルのステータス料なのかと思うことにした。少し、独特の箸を使っていたので、持ち帰りたいと言ったら、わざわざ新しいのを包みなおしてくれた。高いけれど近くに来たらまた寄るだろうな。
   箸上下新そば上下湖一望  未曉