蝦夷編 清水町「目分料」

takasare2006-10-21

 芽室町から清水町までわずか40分、10数年前の記憶を頼りに地図で探したが見つからない。思いあたる建物はあるが、目分料という看板ではない。当時新興の蕎麦屋で閉店した蕎麦屋も少なくないので、その例かな?と思ってあきらめかけ、国道に戻ったらYaさんが目分料の看板を見つけた。私の記憶と国道を挟んでちょうど対称の位置に移っていた。道路傍で駐車場も無かった以前の店に比べ、林の中に広い駐車場を前に大きく立派な店構えになっていた。やはり美味しい店ははやるんだなーと思いながら、少し心配しながら店に入った。昼の時間だから当然と言えば当然だが、満席に近い。50席くらいが満席になっている。私は三角形の大きな相席テーブルに案内された。
 店内には、昔の店を思い出させるインテリアがいくつかあった。黒を基調とした室内の雰囲気もそうかわらない。だけれど大きさ広さが決定的な違いになっている。客をこなすことしか考えていない店員は走って蕎麦を運んでいる。注文にも、お金を払うにも待たされる。蕎麦湯を持ってきてくれるのかまで心配になる雰囲気。蕎麦屋は大きくなると大衆食堂になりやすい。肝心なのは蕎麦の味なのだろうが…。
 蕎麦は、昔と変わっていないように感じた。新蕎麦の時期にしては香りは少し薄かったが、舌触りや味など、昔の目分料の席に座って食べている自分を思い出せた。大勢のお客さんに来てもらって喜んでもらうのが客商売だから大きくなるのはいいことなのだろう。だから少し寂しい気分になってしまうのはきっとわがままなのだろう。