「鞍馬」東京荻窪

 乗り換えの下手さから時間を食ってしまったし、足も痛いので荻窪の「元むら庵」はあきらめた。たぶん以前にも行ってるのでそのまま電車を下りなかった。
 西荻窪駅の南口の階段を下りると、鼻をぶつけそうな狭い道に小さな店が軒を並べている。地番で見当をつけ、足も痛くならないうちに「鞍馬」を見つけた。周りと同じように
ここも小さな店だった。寄り合い席が五つ、4人卓が二つ、女の子が一人。でも、板場には二人の職人(30半ば)がいた。店の姿勢がわかる。私が座った寄り合い席の右隣に二人分の場所をとって石臼がすえてある。これも、主張なのだろう。箱もり950円を頼む。多いから高いのかなと思ったら量は、他店のもりと変わらない。
 一箸すする。美味しい。香りもそば特有のひなびた味も十分楽しめるしっかりしたそばである。わさび、大根おろし、ねぎ。いわゆる江戸風の辛いたれではないがいつもの味わい方で蕎麦湯も楽しめた。
 追加でかけそば(1050円)を頼んだ。ほうれん草と生麩、揚げ玉が入っている。一口二口は蕎麦の味がしておいしい。もちもち感が強くそのもちもち感が箸が進むにつれてのび加減になっていくようだ。美味しい蕎麦だった。けれど950円と1050円は少し高いのでは…