ふれ合い蕎麦の持ち帰り蕎麦

昨日「ふれ合い 蕎麦打ちの会」で帰りに買ってきた持ち帰り蕎麦を食べた。包み紙に印刷してある茹で時間40秒を目安にしいつものように一本食べてみる。少し芯がある。もう少し…。もう一本「よし」とばかりに笊に上げ、水道水で荒熱を取りながらさっと洗った。すぐ氷を浮かべた水でもう一度洗うように締め、笊底を叩いて水を切った。愛用のもり笊に一つまみずつはらりと落とすようにもり、流しはそのままに卓上に用意しておいた辛汁のそばに運んだ。茹でた時に鼻をついた香りがまだ強く残っている。一口そのまま食べる。うまい。舌触り歯ざわり申し分ない。
 実は昨日の蕎麦うち会場でいただいた蕎麦は硬かった。「こし」があるのとはちがう。私はもともと蕎麦にラーメンやうどんのような「こし」の強さは求めない。「こし」の無い伸びたそばは困るが、「こし」なるもの必要以上には強くなくていい。でも昨日の蕎麦は腰が強いというのとは違っていた。打ちたてが身上の手打ち蕎麦に、一日置いてしまった持ち帰り蕎麦の方が美味しいと言うのは蕎麦うち会の方々に申し訳ないが、私には蕎麦が生のように感じた。
 ある手打ち蕎麦屋でもり蕎麦を頼んだら、茹で残ったのがあったのかすぐ出てきた。食べたらいわゆるこしのないだらんとした蕎麦のだらしない食感が口中に広がった。
 茹でたてと言うのは簡単でも、実際に茹でて食べるのは難しい。ましてや人に食べてもらう時の茹でたてはもっと難しいことなのだろう。
 一パック二人前入っていたので残りは、懸案だった茗荷とろろそばを美味しい手打ちで食べることにした。同様に茹でた蕎麦に、刻んだ茗荷、とろろ、生卵を載せ、辛汁を回しがけして食べた。もちろん美味いが走り蕎麦の感激は少ない。走り蕎麦はもり蕎麦で香りを楽しむと言うことに尽きる。