先日当別丸山へ向かう時大野平野の真っただ中を走った。車窓の外は一面の秋の田が広がっていた。黄色の中に微妙なたくさんの色合いが混じっていて見事な実りの景色を見せていた。緑は無いけれど緑を感じる。白も無いが白を感じる。だから単純に黄色とか黄金色とカとも言えない。
 どう表現していいかわからないまま歳時記を調べていたら「田の色」と言う言葉が「秋の田」と言う季語の傍題として載っていた。都合がいいといえば言えるが、この季題に詠み手がどういう意味合いをこめるか、この季題から読む人がどう感じるかをあなた任せにしてまでもこの美しさを俳句にしたかったのだろう。
   一つ空地は田の色で応へたり    未曉
 昨日は秋の空らしく降ったり日が差したり。次の雨までの短い間、雲間からの太陽に田の色を輝かせていた。
   田の色に照り返されて雲迅し    未曉