巴郷散策巻二

13/11/9・競馬場

協会病院の大きな銀杏を横目にきれいな住宅が並ぶ中を路なりに歩く。出たくないと思いながらもはじき出されるように電車通りに出てしまう。人影が目だつ。路のあちこちに人が立っているし歩いている。場外馬券を買う人と不法駐車を見張る人達だと思い至る。 …

13/11/9・駒場から広野

啄木小公園から漁り火通りを湯ノ川方向へ歩き、スケート場の入り口への取付道路へ曲がる。右手に広大な自衛隊函館駐屯地の敷地がフェンスを隔てて広がっている。戦争を放棄した国なのに。 自衛隊は日本と言う国が持っている武器である。武器の目的は、黙らせ…

2013/11/1・亀田川

戸井線橋から富岡橋中道橋までの左岸川岸の道路は遊歩道になっているが、そこに接している住宅はすべて家の裏を亀田川に向けている。遊歩道は車が通れないし、家の向こうに立派な道路があるのだろうから裏になるのは仕方がない。しかし窓もないのである。亀…

13/11/1・五稜郭町28番地から

父や母が元気だった頃昔話をする時、それ以前の我が家の歴史の時代区分を住んでいた家の住所で言いひっくるめていた。「八番地の時だよ」とか「二十八番地の台所でさ」などという言い方である。今日の散策はその「二十八番地」の辺りからである。 図書館に車…

2013/10/13・日吉サッカー場

子どもの歓声に混じってホイッスルも聞こえる。日吉のサッカーグランドに降りていくようだ。とすれば、さっきの分岐を左折すれば七五郎沢のゴミ処理場だろうと思われ、自分の位置が定まった。 サッカー時では高校女子サッカーの全道大会が行われていた。子ど…

1913/10/13・山の手

白百合高校の裏から山の手の住宅街の中心部へ入っていく。同じような街区に住宅ばかりなので方角がわからなくなる。店など目印になるようなものもないので今目の前にある家にもう一度来いと言われても無理である。休日のせいか人通りもない。歩いていて落ち…

13/10/2・新川町界隈

駅前電車通りを折れて二丁歩けば松風町を抜ける。子どもの頃は「抜ける」などとは考えも出来なかった所である。夜は紅い灯青い灯が作る闇の中だったし、昼は饐えた匂いとまだ残っている煙草の煙が行ってはならないバリアを作っていた。今は今で、暫く開けら…

13/9/29・函館ハーフマラソン

チャチャ登りを上り詰めて後は風に吹かれるように降りてくる。改めて亀井勝一郎の文学碑に寄る。申し訳に咲かせているようなコスモスはあるが見捨てられた感は否めない。彫られた碑文が秋の陽に薄い。 佐々木豆腐店は休みなので油揚げは買えない。その代わり…

13/9/29・大三坂

今日はこの大三坂のナナカマドの紅葉を見に来た。ななかまどは葉が赤くなりきれずにまだ緑の名残を宿し、実の独特の朱色が目だつ今頃が良い。電車通りから登り始める。 登りだとどうしても足元を見てしまうし身体に堪えるので停まっては見、停まっては見るこ…

13/9/26・朝市

函館駅を出て倒れるように朝市方向へ足を向ける。駐車場には大きな観光バスが停まっている。どんぶり横町の切れ目から伸びる朝市中通りには既にたくさんの観光客が肩をぶつけ合って見物や買い物に右往左往している。あえてその真ん中に身を委ねるように歩き…

その3=ともえ大橋

万代町まで乗れば運賃表の金額がかわりそうだったのでバスをガス会社前で降りた。。それにしても300円。JRなら函館駅まで乗っても210円なのに…。そんなことを考えながら乗っていたので久しぶりのバスは落ち着かなかった。函館市ウォーキングマップ完…

その2=終点の町谷地頭

終点で降りると道が三方向へ誘う。その左へ…。巴マークの函館漁協、高野寺境内の露仏、寂しい住吉漁港を過ぎる。さすが旧い町白壁の土蔵がある。椿の蕾、蝦夷紫躑躅の蕾がふくらんでいる。電車道路を越え、澱の中で動きの少ない鳥たちをみながら函館公園に入…

その1=はじめに…

退職して7年、いわゆる退職後の生活にもそろそろマンネリの傾向が出てきた。月に二つの句会、週に一度の山歩き、毎日の夕食作り…のパターンが決まってくるとその準備や整理が要領よく出来るようになり半日くらいの「何をしようか…」時間が出来てしまいはじ…