暮れの30日混んでいると思ったがアップル温泉は空いていた。露天風呂はおじいちゃんと孫しか居なかった。水気たっぷりの雪が降っているせいもある。おじいちゃんは頭にタオルを載せてとっぷり湯に浸かっている。孫は軒下に残っていた雪を手に余るくらいに丸めて温泉に浮かばせている。誰もいなかったのでおじいちゃんが遊ばせていたのだろう。「熱いでしょう?熱いでしょう?」といいながら静かに湯に入り泳ぐような恰好ですうっと溶けていく雪の様を楽しんでいる。
   雪まろげ子どもの尻と湯に二つ   未曉
   ぼたん雪子どもの尻を湯に沈め   未曉