乾麺「二八そば」

 私の昼食の主役である乾麺の蕎麦が昨年から変わった。
 「にんべん」と言う「出し」メーカーが販売している「二八そば」と言う乾麺である。デパートの物産展で二八という名前に曳かれて購入しその美味しさに以後、ネットで取り寄せて食べている。「そばつゆ」でそれ以前から「にんべん」のものを使っていて、気に入っていたせいもある。一食にすればそれまでの乾麺に比べて少し高くつくが、蕎麦の風味が十分感じられるその仕上がりに他の乾麺は買う気がしなくなってしまった。
 もちろん手打ち蕎麦の味わいには及ぶべくもないが、歯触り、舌触り、喉越しにまでこだわったそばは、そば粉の割合が多いとうたっていてもうどんのような乾麺が多い中出色である。ただし、もり蕎麦としては挽きたて、打ちたての手打ち蕎麦にはほど遠く、そばつゆも甘いので食べない。普段は五目風の温かい蕎麦が中心であり、夏は茗荷や紫蘇の千切りをトッピングしたぶっかけ蕎麦を楽しんでいる。
 温かい汁蕎麦にしても、ぶっかけ蕎麦にしても茹で鍋から揚げるときは笊で掬いとり、茹で汁は残しておく。蕎麦が終わった後茹で湯の上澄みを捨て、底に残ったそば湯を楽しむことも出来る蕎麦なのである。
 乾麺故か茗荷、紫蘇、納豆、夏らしく胡瓜など何か乗せて違う香りや食感を一緒にして食べる方が美味しいようだ。私はこの頃は大根の千切りをトッピングしたぶっかっけ蕎麦が気に入っている。