「千軒そば」(後)

takasare2007-01-19

 お湯を沸かしているうちにもり蕎麦掛けそばの準備を終え、まず、もり蕎麦用に一人前を、買ったときに言われた茹で時間2分を守って茹で上げた。今の時期、水が冷たくていい。ぐんにゃりしていたそばが、冷たい水の中でしゃきっとして角が立ってくる。笊の底をたたいてしっかり水を切って、そば笊に一口くらいずつボッチ盛にする。
 素で食べる。そばの香りと言うより味が舌をくすぐる。美味い。たれをつけて食べる。カツオだけでない、他の魚も使われているようなたれの香りが鼻を打つ。一箸のそばの尻尾だけを浸して啜りこむ。たれは甘い。一番粉を使っていないようだ、つるつるとして舌触りは私の好みではないがそばの味を大事にして打っているそばという感じがした。地域おこしの意気込みがこめられているのだろう。
 一度冷えた湯を再び沸かして残りを茹でた。十分ぬめりを取って、水を切り、茹で汁で湯煎して用意していた賭け汁をかけ、台所はそのままにして食べた。やはり湯気の中に期待したそばの香りはかすかだった。湯から上げる特に時間がかかってしまったせいか、少し伸び気味だったかもしれない。十割そばは伸びやすいのだ。掛けそばも、いかにも十割そばらしくそばの味がしっかり楽しめた。
 鍋は小さいし二人前のそばをゆでているのでそば湯は濃い目になっていた。わさびと葱とで美味しく美味しくいただいた。
 十分美味いものが食えた。大腸検査無事終了。春になったら、今度は千軒まで食べに行こうと思った。