「月の庵」神山

 「鹿追産そば粉十割。つなぎは一切使わず水だけで打っています」と張り紙してある。もり蕎麦を頼む。
 黒く少し細めの麺である。ひとつまみすすってみる。香りはそれほど強くはないが、味は蕎麦特有の素朴な味が強く楽しめる。辛目のたれをつけてすする。かまずに飲みこむ蕎麦ではない。田舎蕎麦のようなもそもそ感がある。この麺の細さがそれを和らげている。噛んで
味わう蕎麦といえる。わさびの辛さが少し物足りなかった。蕎麦湯は函館にしては濃い目で
おいしかった。食後にコーヒーがサービスで付くが、私は蕎麦の余韻を楽しみたいので断る。するとなんだか損したような気になる。
 もり蕎麦一杯735円。店は清潔感もあり、落ち着ける。駐車4台