手袋

   手袋に爪切る指や骨納め  未曉
 次女に義母との思い出を訊いたら、「最も古い思い出は、函館の街をババに手を引かれて歩いている自分」と答えた。義母は共働きの娘夫婦に預けられた三歳児をどうしようもなく、バスで片道一時間半の函館での所用に連れて行かざるを得なかったのだろう。二人の娘ばかりでなく一時は私も食事やら洗濯まで世話になった。
 その義母の一連の葬儀式も今日初七日の法要とその後の骨納めでひとまず終わった。