鷲を見に行ってきた。今年もまた見られる数が減った。三時間居て私の肉眼で確認できたのは十指に満たない。ホッチャレも少ない。
 遊楽部川が大関で大きく蛇行するところの大木に一頭見つけた。百メートルは離れているがこちらの気配を察したのか大きな羽を広げて枝を飛び立つ。ここまで羽音が聞こえるかのように二三度羽撃くと、滑空するように川の蛇行にそって私達の視界から姿を隠す。大鷲が翔んだ痕は空気に隙間ができたかのようだ。
   自由てふ冷気呼吸して鷲の空   未曉