林道歩き無しの二股岳(1)

takasare2006-09-06

 前日Yaさんから集合時間の変更があった。二股は林道歩きが長いから、30分早めるという。それで思い出した。二股の林道はゲイトから1時間も歩かなければ登山口に着かない。行きはまだいいが下りでガタガタになっている膝で一時間の林道歩きは脚を投げ出したくなってくるし、疲れから、精神的にも耐久力や集中力がなくなって自分でもいやーな気分になってしまう。そのイヤーな気分を思い出してしまった。
 Yaさんは駐車用の空地から更にゲートが見えるところまで車を前進させた。当然のように橋の手前の白いゲートは車の進入を防ぐべくしまっている。「やっぱり」とはかない望みを断ち切られてすごすごと駐車スペースまで後退した。
 靴を履き替え、虫除けの薄荷湯を塗り、ザックを背負って歩き出した。ゲートはくぐった。橋の中ほどまで渡ったら、後ろのYaさんとKaさんがゲートに取り付いた。「鍵は無いよ?あれっ?開くんでねぇ?」と誰に言うでもなく疑問符をつけながら鉄製の閂を持ち上げた。持ち上がったのである。持ち上がったと見る間にKaさんがゲートの片方を大きく広げた。Yaさんがもう片方を広げて林道が開いた。歩くためにわざわざ弁当まで持ってきているのに、大の男4人が歓声を上げて歩かなくてもよくなったことを喜んでいる。私はそんな様子をスナップに取ることも忘れるくらい嬉しがっていた。
 片道1時間の林道歩きを車で10分に変えてしまったのは言うまでもない。登山口には、何の疲労も無いままに着いた。
 二股岳はアップダウンが無い。そして登りにメリハリがあって急いだりリズムさえ崩さなければ山歩きを楽しめる山である。最初は沢沿いの緩やかな登り、そして樹間を直登に近い曲がりの少ない登り、そして、尾根に出て見晴らしの中を歩くという三様の登りに大きく分けることができる。そして
全コースが落ち葉か草の地面で、岩や木の根が段差を造っているところも無い。前日の雨のせいもあるのだろう地面がふかふかしている。その上、幅広く刈り払われている。Yaさんが「これなら小学生も登れるな」という快適な登山道なのである。
 私が先頭でゆっくり登った。30分登って樹間で一度休み、次は尾根に出たところと思っていたら
20分で出てしまった。羊羹タイムを取りながら毛無方向の展望を楽しむ。後30分で頂上と思って出発したら10分も歩かないうちに頂上の電波反射板が見てきた。直射日光がで眩しい尾根道だが夏の威力はすでに無く、かえって尾根を吹き抜ける風が気持いい。15分で頂上に着いた。10時半、いつも11時半昼食で行動するYaさんのコースタイムからちょうど1時間早い。林道歩きを省略した分である。