函館アルプス・西側から

 先週、蝦夷松山から雁皮山の連なりの東裾を歩いた。今日は、その裏側中野ダム側から函館アルプスに登ることにした。
 雁皮山は頂上標識のあるところよりわずかに高い頂を持っている。それらを含めて雁皮山というらしい。蝦夷松山から頂上標識のあるところまではアップダウンが激しい樹間の細い尾根道が繋がっているが、地形図上で最も高いピークへは道が無い。頂上標識のあるピークへ登ることで雁皮山へ登ったことになっている。今日は、西側に流れている緩やかな尾根を利用して蝦夷松山からのルートと正反対の方からピークを目指す。
 雁皮川沿いの林道を利用して中野ダムからつぼ足で歩き始めた。雪が薄い下の方は良かったが、高度が上がり三歩に一歩膝までぬかるようになるとストレスも溜まり、スノーシューを履いた。1月は、雁皮川から黒井川源頭を歩いたが、今日は分岐を雁皮川の上部にとり、林道を詰めた。
 Yaさんが地形図を見ながら、林道から尾根へ取り付いた。最初は勾配が急で少し堪えたが一段上がると緩やかな広い尾根になり木も疎らでスノーシュー歩きの醍醐味を満喫させてくれるステージとなった。スキーでも遊べそうなスロープには、スノーモービルのトレースが幾本も走っていた。彼等には、スノーモービルステージなのだろう。雪の下は、夏は人を寄せ付けない笹の海だろうが、しまった雪は快適に私たちの歩を支えてくれる。さっきまで遠く高かった雁皮山の稜線がどんどん近づいてくる。結局一気に上ってしまった。稜線の上に出ると先週歩いた東裾が下に見える。三森山も当然のように見える。稜線を南へさらに15分歩き雁皮山最高峰へ立つことができた。雪のおかげである。Yamaさんの的確なルートファインディングのおかげで、スノーシュートレッキングというより、頂上に立つ爽快感が伴う登山が楽しめた。
 先週、東から見たピークに今日は西から登って立つことができたのもうれしい。例えは大げさで気が引けるが、ヒマラヤをチベット側からとネパール側から味わったような気分である。勝手に思わせておいて欲しい。