着膨れ

 父が亡くなった時、小さな箪笥一つの衣類と、写真や書き物類の入った木製の小抽斗一つが残されただけであった。遺品整理などということが必要のない亡くなり方だった。少し憧れているがなかなか難しい。捨てるにも体力気力の在るうちだと思って年初の計に入れた。
   着膨れや捨てることより始めねば   未曉