若葉

 イチヨウラン、オオイワカガミを訪ね殿様街道を歩いた。とはいえ本当のの意味で訪ねているのはYaさんKuさんの二人。私も楽しみにはしているもののイチヨウランの花も姿も曖昧にしか覚えていない。だから先頭を歩いていながら尾根道にその姿を見つけたのは後ろの二人という始末。イワカガミは私も好きな花でたくさん咲く場所も記憶していたのでなんとか先頭の面目を保つことはできた。
 しかし私としてはその尾根から知内川の河原への下り道を覆う山若葉に感動した。無数の葉の一枚一枚が早緑に煌めき強い風を喜ぶように波立ちざわめく。染まれぬ70の年齢を恨めしく思ってしまう。河原へ降りる直前、旧松前線の赤錆びた鉄橋に腰をおろし、頭上、眼前、背後に若葉を浴びて握り飯を食べた。美味い!。今日立夏
   廃線の錆深々と山若葉   未曉