星がきれいだから来てごらんと妻が言うのでウッドデッキに出る。今どきの函館の夜空に星月夜は望むべくもないが、その前に私の視力では明るい星が5〜6個見えるだけである。だから函館の夜空を見上げながらも私の眼裏にはすぐ、ヒマラヤ・タンボチェの、そしてニュージーランド・マッケラー小屋で見た星空が思い出されることになる。それはいつしか子ども時代にはいつも見えていた天の川の流れる星空へと繋がっていく。時と場所が星空を見ることを許さない。それと私の視力が…。
   銀漢や昔は遠く現在彼方   未曉