馬鈴薯(薯)の花

 何年前だろう、札幌からの帰りが遅くなり豊浦へ抜ける道が真夜中になった。花和のあたりにさしかかったとき周り一面が馬鈴薯の花盛りで真っ白になっているのに気がついた。広さを味わいたくて車を停め、ライトを消して外へ出た。すると空一面の星空だった。その頃は両眼とも健在だったので星の一つ一つが見えただけに降ると言うより射されるようでもあった。夜に星と薯の花しかなかった。両者は地平で繋がっていた。

  地平よりあふれでる星馬鈴薯の花  未曉