兼題「熱燗」傍題「焼燗」
 それほど飲めるわけでもないのに雰囲気だけで飲む傾向が強い。
 若い頃は「野武士」という3尺四方の囲炉裏を囲む店で飲むのが常だった。炭火の上で焼かれる魚の傍で小さな鉄瓶に入れられた樽酒も焼かれる。酒の肴は江戸っ子のママさんの恋話に触発されて、それぞれの虚実ない交ぜの人生論が酔いと共に続くのを常としていた。そしてもう二度と飲みませんとうほどの急性アルコール中毒で半日苦しむのも常だった。
  焼燗と炭火と煙と人生論   未曉
  焼燗の過ぎたる熱さ若き日々 未曉