覚悟も一緒にまかなって雪掻き。小さい頃は喜々として…。若い頃は張り切って、十年くらい前までは趣味のようにやっていた雪掻きにこの頃は「健康のため」という意味づけが必要になってきた。それでも時間をかけてできるのでいやにはならない。しかし、手応え十分の雪の量だ。1時間半かかった。
  ゴミ出して今朝の雪掻き終わりけり   未曉
兼題「春の月」
 この季題ではすぐランタン谷の未だ暗い夜明け前、西に下っていくその出口あたりに沈みゆく月を思い出す。夜明けのヒマラヤを撮ろうと思って早起きして出てきたが、望外の天然ショウを観ることができた。ランタンリルンなどの白き嶺にはさまれた暗い灰青色の空に僅かに黄色味を残した満月が降りてゆく。ヒマラヤの西は浄土を思わせる。
  その翌年の年賀状にこんな句を書いた。
   月入りてヒマラヤ西方春生れる    未曉
 時間が過ぎるとどうしてもさらに美化してしまう。
   春月を恋ふてヒマラヤ白き竜     未曉