「弥助」(1)羽後

 碇ヶ関の道の駅を早朝出発して、愛車Xトレイルは秋田県に入った。
 秋田は稲庭うどんに代表されるうどん県という先入観が先に立ち、リサーチした蕎麦屋は多くない。以前家族旅行で角館に来た時入った武家屋敷街の蕎麦屋が美味しかった記憶がある。川沿いの観光客向け駐車場に車を入れて武家屋敷街の散策をした。武家屋敷をはずれた土産物屋が並ぶ一角にそれらしき店は在ったが9時では開いているはずもなく、あきらめて角館を後にしたた。
 早朝出発→目的地の公営駐車場→観光(散策)→、記念館、資料館(9時には開館する)→蕎麦屋→道の駅という行動パターンが今回の旅行には適しているようだ。
 時間的にちょうど開店しそうな横手市蕎麦屋をチェックしていた。しかし、横手の街に入ると焼そばの幟が多く、目当ての店もその幟が暖簾を隠すように幅を利かせていた。横手は焼そばの街として売り出そうとしているらしく、その店も焼そばに重点をおいているようだ。当然味もそれなりでしかなかった。
 すぐ、横手市を抜けて羽後町に向かった。南秋田の小さな街にある蕎麦屋の名前がどうして私のようなものの耳にまで届いたのか…。その謎が解けるのを愉しみにくる間を走らせた。