ちゃんちゃんこ・太極拳

 しかし安いとはいえ月謝も払ったし、僅か半年で全く止めてしまうのも我ながら情けないので家で続けることにした。4時半には目を覚まし、5時半には腹も空くし我慢できなくなって布団を離れる。この時間なら誰にも見られず邪魔されずに出来る。幸い太極拳はラジオ体操のように音楽も要らないし、自分のリズムでやれば良いから号令も要らない。リビングにテーブルや家具の隙間に7M程のスペースがあれば良い。隙間だから少し曲がっているけど支障は無い。家人は二階で個々眠っているから邪魔にはならない。

 それで結局10年近く私の一日の始めのルーティンとして続いてしまった。あるらしき太極拳の真髄とかにふれることなく、また強く面倒な動きは勝手に省いている…というふうにいいかげんだから続いたのかもしれない。何のためになっているのかもわからない。終わって「太極拳らしきものを今朝もやったぞ」という思いがあるだけである。

 その後一人朝飯を食べる。やらないときよりは太極拳らしきものをやったときの方が朝飯は美味い。その程度の効果だけど珍しく続けてやれたことなのでこれからも続けていればきっと何か良いことがあるに違いないとも思っている。なにせ継続は力なんだから…。

ちゃんちゃんこ首巡らせば首に音   未曉