未曉句集(二)の四

  雪降る降る籠城といふ戦あり 

 雪が降れば掻かなければならない。玄関先に雪が積もったままというのは見窄らしい。我が家につながる町内の道も雪掻きをしないままでは隣近所に申し訳ない。つい少し前までは「運動不足解消さ!」などと言っていた手前もある。
 古いスキーウエアに長靴、専用の毛糸の帽子に手袋を履いてまかない、雪掻きシャベルやママさんダンプを武器に戦場に赴く武士のごとく撃ち出る。ということで昨日までは良かった。揚句も昨年一般論として雪国の人の悲哀を句にしたつもりだった。
 しかし先日の雪掻きで肩を傷め城を撃ち出るて戦うことができなくなった。籠城余儀なしである。頼みは春という援軍を待つしかない。