雪虫

 私達は雪虫という。季語では綿虫という。雪が降る土地と雪が降らない地方との違いだろうか。雪虫の方が「冬を知らせる」「白い綿毛や青紫の身体」からよりふさわしい呼び名だと思う。
 その雪虫がますます人なつこい感じがするようになってきた。容易に手の中に掴まえられるし、吹き飛ばして戻してやろうと思っても手肌にしがみついて離れない。
   雪虫の追ふて離れぬ掌のぬくみ   未曉