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千畳敷の小高い丘を登ると函館要塞の壕跡がある。そこから函館を取り囲む山々が一望できる。恵山、都井岬、三森山、蝦夷松山、雁皮山、袴腰岳、烏帽子岳、横津岳、七飯岳、駒ヶ岳、この連なりに近景函館山御殿山をカメラに収まる。さらに木地挽山、二股岳、毛無山、桂岳、知内丸山と続く。足元に蕗の薹が見えだした。
蕗の薹苦さ忘るること多き 未曉
寒川を下に自動車道を通って入り江山の壕跡へ。壕を巡る一ヶ所に駒ヶ岳が真正面に見えるポイントがある。夏は、葉が茂って邪魔をするが今の時期は枝を透かして雪の駒ヶ岳の稜線が青空に美しい。
ものの芽も雪嶺も空撃ち止まず 未曉
旧山道を降りてきた。まだ雪が残っている。ザクザクと音を鳴らして降りた。この音も春と言えば言える。終わりは自動車道路を使って降りた。乾いたアスファルト路面を登山靴が撃つ。これも春の音と言えば言える。その途中に一番札の仏様がいらした。
野仏へ三歩古草敷かれけり 未曉